妄想税【そらる】 -完-

妄想 ３. ページ3

夢主side

「今日は随分と都合の良い願いばかりだったよ」

そらる「…そっか」

「疲れたぁー」

そらる「その汚れきった紙切れで何するの？」

「内緒ー…ほらほら見て、そらる」

そらる「なに？」

「人間の妄想が見れるよ」

私が指を指す方向にこの前、願いを叶えに来たある少女が居た。

モブ「○○くん！！何で他の女と話すの！？
私が貴方の彼女でしょう！？」

○○「は、はあぁ！？お前何言ってんの！？
俺、お前の彼氏になった覚えもないし！！お前を彼女にした覚えもねぇよ！！」

モブ「何言ってんの！？××様が私の為だけに叶えてくれたのよ！！嘘じゃないわ！！」

○○「お前…ホントどうかしてんじゃねぇの？」


「ね？彼等の願いは叶いやしないの」

そらる「苦いね」



ほろ苦いもんだ。


現実と言うのは______





痛いな。


そして今日も繰り返す。




モブ「彼を私のものに！！」


ほら、"したい分"を借り入れろ。

愛しき制度、『妄想税』優しい義務化。

ああ、なんて素晴らしいんだろう。


______「NO！！」


「アナタ、誰？」


______「そんなのが幸せな訳ない！！何、妄想税って！？アナタはそんな事をして楽しいんですか！？」

「アナタの願いは？」


______「えっ…」

「ほら、早く」


声を荒げる馬鹿も、願いと言えば直ぐに答える。

______「幸せ…幸せが欲しい」




「妄想税、お納めください。





アナタの願い______。」





これは不公平を無くす為。

皆んなが幸せに豊かに暮らせる様に。






「さぁ、汚い妄想は汚いお金で解決させましょう」









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