* ページ19
坂田side
何度も何度も走っている度に吐きそうになる。
坂田「ゲホッゲホッ…」
でも我慢…
きっと後でもっと吐く事になるんだから。
花弁を見る度に悔しくて苦しくて。
これが
『初恋』なんかもしれんな…
坂田「ゔぅ……ッうっ…ぉえっ…」
ツツジ、ハナミズキ。
色んな花弁を吐き出してしまう。
でも誰も見ていない。
それだけで…まだマシなのかもしれない。
坂田「ちゃんと伝えるから…」
僕はまた走り出す。
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そして15分後______
やっと、Aに着いた。
僕は迷いながらもインターホンを鳴らした。
《…はい》
坂田「…A、話があんねん……開けてくれへん?」
《……私は話ない》
坂田「僕にはあるんや」
《………感染してもしらないよ》
坂田「え?」
《兎に角入って来て、リビングに居るから。
出迎えに行けない…ごめん》
声は震えていて苦しそうだった。
坂田「わ、かった」
我慢や…
______ガチャ
玄関を開けると所々に花弁が散らばっている。
坂田「なんや…こ、れ」
取り敢えず僕はリビングに向かった。
リビングにはソファに体育座りをして腕に顔を埋めているAの姿があった。
その周りには沢山の花、花、花。
坂田「A、」
「坂田くん……」
ズキッズキッって…
自分の苗字を嫌いになりそう…
坂田「ごめん、ごめんな…A。
もう近寄るななんて言ったりして…」
「いいよ…別に……
私がこれから坂田くんに関わらなければいい事だし…気にしなくていいよ」
坂田「っ…そうじゃないんよ……」
「なにが?」
坂田「僕、花吐き病やねん……」
「えっ…」
坂田「だからAが花弁に触ろうとした時触るな言うたんや…
花吐き病の人が吐き出した花に触れると感染するから…だから……Aを感染させる訳にはいかんのや……」
「…期待させないで」
坂田「えっ…?」
「そんなの意味ないよ……
だって私、花吐き病だもん……」
坂田「えっ…う、そやろ……」
そんなの知るはずもないから。
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チェスト(プロフ) - 雨季さん» それはそらるさんのお話になってからのお楽しみです笑笑 (2018年12月20日 20時) (レス) id: 579d6c2eb3 (このIDを非表示/違反報告)
雨季 - わぁ!凄かったです!謎の涙が出てきました()あの…1つ聞きたいんですけど、そらるさんとうらたんって誰に恋してたんでしょうか……もしかして(名前)ちゃん!? (2018年12月20日 20時) (レス) id: 1b1fd9e1b8 (このIDを非表示/違反報告)
チェスト(プロフ) - 杏玲さん» はいっ!! (2018年9月23日 10時) (レス) id: 579d6c2eb3 (このIDを非表示/違反報告)
杏玲(プロフ) - チェストさん» *゚Д゚)*゚д゚)(*゚Д゚)オォォ...楽しみにしてます! (2018年9月23日 10時) (レス) id: f16d2085bf (このIDを非表示/違反報告)
チェスト(プロフ) - 杏玲さん» おぉ!?それはそらるさんのお話になってからのお楽しみって事で!!ライラックがアフラックw確かに似てるw (2018年9月23日 10時) (レス) id: 579d6c2eb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:チェスト | 作成日時:2018年9月14日 18時