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ym
眠たい。
昨日の夜は課題を溜め込んだせいで
一夜漬けの刑に処されていた。
眠い目を擦りながら大学の長い廊下を
ドスドスと前進していた。
冬。
雪のせいで白くなった外の世界は
窓に霜をくっつけるほど
ひどく寒かった。
暖房のきいた室内は
白ニットの上から生暖かい風を送る。
「冬だなあ。」
なんて呟いてみる。
「冬だねえ。」
宛先のない呟きに突然の返答。
この澄んだ声
俺より高くから聞こえる声。
間違いない。
はねる心臓を抑えて
後ろを振り返った。
「裕翔、くん。」
「おはよう。やま。」
彼は本当に素敵だ。
こんな寒いのに
半袖の上に
薄手のパーカーを羽織っている。
「風邪、ひいちゃうよ？」
「やまが看病してくれるなら、風邪ひいてもいいなあ。なーんて。笑」
「もう。バカ。笑」
彼は本当に素敵だ。
彼は本当に
思わせぶりだ。
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作者名：晴。 | 作成日時：2018年9月8日 19時
