第54話 ページ8
先程から、メンチやブハラ含め周囲は呆然としてばかりだ。
年相応の笑顔を見せ、ネテロと楽しそうに戯れる姿は少し前からは想像も出来ない。
ネテロもネテロだ。デレデレしながらAを抱きとめている。こうしてみるとただの孫と爺だ。
『来るなら来ると言えばいいものを!!電話して呼び出してやろうかと思っていたところだ!!』
ネ「ほっほ、サプライズじゃよ。見送りできんですまんかったのー」
『気にしないでくれ!!朝食のおにぎり、用意してくれたのはネテロだろう!?美味かったぞ!!』
ネ「ありゃ、バレておったか。美味かったのなら良かったわい。
すまんがA、ちぃと仕事をしてくるんでな。」
そう言って、ネテロはAを優しく下ろす。メンチの方に向き直ると、しわがれた声で名前を呼んだ。
ネ「メンチくん」
メ「はい!」
やや緊張気味にメンチは返事をする。強張るメンチの顔を見て、ネテロの後ろからAが頬を指で上げる仕草をした。
Aが小声で「笑顔を作るといいぞ」と言うが、ネテロはそんなことは気にせずメンチに話続ける。
ネ「未知のものに挑戦する気概を彼らに問うた結果、全員その態度に問題あり。つまり不合格と思ったわけかね?」
なかなか緊張が解れないメンチを見て、人の内面を知らずに接するのは大変だな、とAは思う。
ネテロの視線が微妙にメンチの胸あたりに行っているのを見て、どうせ「チチでけーな」くらいのことしか考えていないに違いない。
メンチが少し考え、それからはっきりと「いいえ」と否定の言葉を口にした。そこからネテロに今までのことを説明しだす。
メ「テスト生に料理を軽んじる発言をされてついカッとなり……その際、料理の作り方がテスト生全員に知られてしまうトラブルが重なりまして、頭に血が昇っているうちに腹がいっぱいにですね……あとAの作った寿司が美味しくて」
ネ「つまり、自分でも審査不十分だと分かっとるわけだな?Aの作ったスシ食いてーな)」
メンチはあからさまに落ち込みながら返事をした。
メ「スイマセン!料理のこととなると、我を忘れるんです。審査員失格ですね
私は審査員を降りますので、審査は無効にしてください」
『……?無効にしたら俺の合格も無しになる訳か?』
メ「……ごめんね」
『よもや』
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猫 - 主サンが描く物語好きです!続き待ってます! (3月27日 17時) (レス) @page27 id: 964519cfd9 (このIDを非表示/違反報告)
1_o3o1_(プロフ) - 時間が空いて何度読み返しても面白い大好きな作品です!気長に更新お待ちしてます(*´-`) (2023年2月6日 8時) (レス) @page27 id: 2f5b4ed08a (このIDを非表示/違反報告)
ろいど(プロフ) - 続き待ってます…更新楽しみに待ってます…!!!! (2022年5月4日 20時) (レス) @page27 id: 5682104901 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - 更新楽しまにしてます!無理のないよう頑張ってください (2022年3月4日 19時) (レス) @page27 id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
ジャッキー(プロフ) - 続きを…お願いします…! (2021年6月27日 17時) (レス) id: 2f5b4ed08a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むむ | 作成日時:2019年10月11日 20時