第9話 ページ10
カサ、ジャリ、パリ
薄暗い森の中、目立つ赤毛が落ち葉を踏んで歩いていた。
年は11くらいだろうか。水華のような血のように紅い色とは違い、淡紅色がかった短い髪。
「滅」と書かれた隊服は身を守るものだと言うのに、肩に適当に羽織っているだけだ。
「雪柱」
それは少年にとって憧れの師範であり、引き摺り落としたくなるような人でもあった。
珍しい赤毛で生まれた彼は、家族に虐げられ、蔑まれ、殴り蹴られ。
しまいには家を追い出されボロ雑巾の様になっていた彼に手を差し伸べたのは、自分より3つか4つ程しか変わらぬような少年であった。
『俺も同じ赤なんだ!俺は君の赤の方が好きだ!!誇っていいぞ!この神に認められたのだからな!』
出会い頭に言ってきたことはぶっ飛んでいた。しかしながら、少年はその言葉に救われた。
雪のように儚く舞う師範は美しかった。鬼の血に塗れた白い刀が美しかった。
『西洋のかるたらしくてな!たしか…とらんぷ?とか言ったか!!色んな模様があって綺麗でな!つい買ってしまったが使い方が分からん!!くれてやる!』
そんなことを言って、西洋かるたを渡してきたのはいつだったか。過去に執着しない少年は、そんな事を覚えていないのがもどかしかった。
地獄の様な修行の日々に、師範がいてくれればそれでよかった。
鎹烏からの訃報を聞いた時、手に持っていた西洋かるたを地面にばらばらと落としてしまった。
いつか殺そうと思っていたのに。
自分以外に殺された彼が許せなかった。
彼を
8歳で柱になるという、最年少記録。
たった3年で殉職という、歴代の柱で最短記録。
少年は今、「雪柱」として鬼を切っている。
自分の大切な人を殺した鬼を滅殺する為。
彼のことだから全然別の場所で生きていて、そのうちひょっこり出てきたりしないだろうか。
ふと、そんなことを思った。
「流石に…そんなワケないか♢」
赤毛の少年の切れ長の瞳が、背後の消えかけの鬼を見やった。
2代目「雪柱」
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お気に入り、評価ありがとうございます!!
凄い喜びました!びゃあああああ…
意味分かんないですか?私もです
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むむ(プロフ) - キナコモチさん» キナコモチさん落ち着いてください…私も似たようなテンションなんですから……続☆編です!!ひゃあああああああ頑張ります!!ありがとうございます! (2019年10月6日 12時) (レス) id: 88d277cac2 (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - 麗奈さん» 可愛いよな……(真顔)続編喜んでいただけて嬉しいです!頑張ります! (2019年10月6日 12時) (レス) id: 88d277cac2 (このIDを非表示/違反報告)
キナコモチ - 続☆編キタァァァァァアァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!щ('∀')щウィーーー (2019年10月6日 11時) (レス) id: a8b1629d5b (このIDを非表示/違反報告)
麗奈 - 続編(゚∀゚)キタコレ!!、水華可愛い…(真顔 更新頑張ってください。 (2019年10月6日 11時) (レス) id: 91fcdb8923 (このIDを非表示/違反報告)
キナコモチ - 大丈夫だと思っておきますね! (2019年10月3日 16時) (レス) id: a8b1629d5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むむ | 作成日時:2019年6月29日 22時