検索窓
今日:2 hit、昨日:5 hit、合計:147,276 hit

第11話 ページ12

水華は耐えていた。



顔を覗き込み、暴言を浴びせてくる雑魚が許せなかった。




何故。何故だ。煉獄と冨岡に女子と間違われた時は笑って許せたのに、何故この男だとこうも腹が立つんだ。




そんなことを考えているとまた苛立ってくるので、水華は14の誕生日の時にネテロにもらった木刀のことを考えていた。




「殺生をしたくないお前さんに真剣は向いてないのう。この木刀をやるから、普段はこっちを使いなされ。真剣はいざという時にとっておくんじゃ。」と言ってくれたものだ。




なんでも特別な木から作ったものらしく、木刀の硬度は恐ろしかった。岩を砕いたのは新しい思い出だ。




そんなことを考えていたら、目一杯に叫んだ男の罵声が耳に入った。




「無視してんじゃねぇ!このクソ処女!」




ぷつん。その音が、水華には確かに聞こえた。




水華は、下品な話題を心の底から嫌っている。




ゆっくりと目を閉じて、大きく深く長く溜息をつく。その仕草を見たヒソカは、彼がどう仕掛けるのかよく見るために少し身を乗り出した。




目を開けて、水華は真っ直ぐ見つめた。




その目はただただ深い黒が浮かんでいた。不気味ささえ感じる、殺意に塗れた漆黒。




その瞬間、全員が殺気を感じ取る。おどろおどろしい、反射で身構えてしまうような殺気。




だが、真正面にいた男だけは違った。




ぴんと糸が張り詰めたような、緊張感のある真っ直ぐな殺気。




「殺される」そう思った男は、水華の頭を鷲掴んでいた手を放し、数歩下がる。




水華は音も無く着地すると、そのまま男に近づいた。




男は尻餅をつき、そのまま動けない。水華はゼロ距離まで近づくと、そのまま一度通り過ぎた。




男が立ち上がろうと床に手を付ける。その瞬間、何かの破壊音がした。




男の手の真横に、木刀が突き立てられていた。




()は殺生が嫌いだ。お前を殺しはしない、だがな。







人の性別と、強さを見極められるくらいの目はあったほうがいい。』




そう男に言い放って、水華はその場を後にした。

第12話→←第10話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (106 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
231人がお気に入り
設定タグ:HUNTER×HUNTER , 鬼滅の刃 , 転生
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

むむ(プロフ) - キナコモチさん» キナコモチさん落ち着いてください…私も似たようなテンションなんですから……続☆編です!!ひゃあああああああ頑張ります!!ありがとうございます! (2019年10月6日 12時) (レス) id: 88d277cac2 (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - 麗奈さん» 可愛いよな……(真顔)続編喜んでいただけて嬉しいです!頑張ります! (2019年10月6日 12時) (レス) id: 88d277cac2 (このIDを非表示/違反報告)
キナコモチ - 続☆編キタァァァァァアァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!щ('∀')щウィーーー (2019年10月6日 11時) (レス) id: a8b1629d5b (このIDを非表示/違反報告)
麗奈 - 続編(゚∀゚)キタコレ!!、水華可愛い…(真顔 更新頑張ってください。 (2019年10月6日 11時) (レス) id: 91fcdb8923 (このIDを非表示/違反報告)
キナコモチ - 大丈夫だと思っておきますね! (2019年10月3日 16時) (レス) id: a8b1629d5b (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:むむ | 作成日時:2019年6月29日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。