第11話 ページ12
水華は耐えていた。
顔を覗き込み、暴言を浴びせてくる雑魚が許せなかった。
何故。何故だ。煉獄と冨岡に女子と間違われた時は笑って許せたのに、何故この男だとこうも腹が立つんだ。
そんなことを考えているとまた苛立ってくるので、水華は14の誕生日の時にネテロにもらった木刀のことを考えていた。
「殺生をしたくないお前さんに真剣は向いてないのう。この木刀をやるから、普段はこっちを使いなされ。真剣はいざという時にとっておくんじゃ。」と言ってくれたものだ。
なんでも特別な木から作ったものらしく、木刀の硬度は恐ろしかった。岩を砕いたのは新しい思い出だ。
そんなことを考えていたら、目一杯に叫んだ男の罵声が耳に入った。
「無視してんじゃねぇ!このクソ処女!」
ぷつん。その音が、水華には確かに聞こえた。
水華は、下品な話題を心の底から嫌っている。
ゆっくりと目を閉じて、大きく深く長く溜息をつく。その仕草を見たヒソカは、彼がどう仕掛けるのかよく見るために少し身を乗り出した。
目を開けて、水華は真っ直ぐ見つめた。
その目はただただ深い黒が浮かんでいた。不気味ささえ感じる、殺意に塗れた漆黒。
その瞬間、全員が殺気を感じ取る。おどろおどろしい、反射で身構えてしまうような殺気。
だが、真正面にいた男だけは違った。
ぴんと糸が張り詰めたような、緊張感のある真っ直ぐな殺気。
「殺される」そう思った男は、水華の頭を鷲掴んでいた手を放し、数歩下がる。
水華は音も無く着地すると、そのまま男に近づいた。
男は尻餅をつき、そのまま動けない。水華はゼロ距離まで近づくと、そのまま一度通り過ぎた。
男が立ち上がろうと床に手を付ける。その瞬間、何かの破壊音がした。
男の手の真横に、木刀が突き立てられていた。
『
人の性別と、強さを見極められるくらいの目はあったほうがいい。』
そう男に言い放って、水華はその場を後にした。
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むむ(プロフ) - キナコモチさん» キナコモチさん落ち着いてください…私も似たようなテンションなんですから……続☆編です!!ひゃあああああああ頑張ります!!ありがとうございます! (2019年10月6日 12時) (レス) id: 88d277cac2 (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - 麗奈さん» 可愛いよな……(真顔)続編喜んでいただけて嬉しいです!頑張ります! (2019年10月6日 12時) (レス) id: 88d277cac2 (このIDを非表示/違反報告)
キナコモチ - 続☆編キタァァァァァアァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!щ('∀')щウィーーー (2019年10月6日 11時) (レス) id: a8b1629d5b (このIDを非表示/違反報告)
麗奈 - 続編(゚∀゚)キタコレ!!、水華可愛い…(真顔 更新頑張ってください。 (2019年10月6日 11時) (レス) id: 91fcdb8923 (このIDを非表示/違反報告)
キナコモチ - 大丈夫だと思っておきますね! (2019年10月3日 16時) (レス) id: a8b1629d5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むむ | 作成日時:2019年6月29日 22時