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第33話 ページ34

『あーーーーーーーーーっ!!豚いたぞ!!』




水華がそう叫ぶと、[世界一凶暴な豚]として有名な「グレイトスタンプ」がギロリと水華を睨んだ。




豚は勢いよく水華に向かって突進するが、水華はそれをひらりと避けて木の上に登る。水華の一瞬目線が別の場所を向くが、直ぐに豚の方を見て豚に話しかけ出した。




『そんなに怒らないでくれ!!というのは無理か!
そりゃ自分を殺して食おうとする奴に対して怒らないというのはな!!!心が仏のような奴でも難しいだろうとも!!』









「まるで鬼と人間みたいだ」そう言いかけて、やめた。言い知れぬ罪悪感に襲われた。




生きるためには食さねばならない。何かの犠牲を払わなければならない。




それは鬼とて同じこと。食べる対象が偶々人間だっただけのこと。必要以上に食べるのは勿論良くないが、生きる為に必要な量を食べるのはいけないことなのだろうか。




もしそれがいけないことになるのだとしたら、我々人間はどうなるのだろう。肉や魚も、元は生きていたはずなのだ。




人間ほど感情が無いにしても、家族の中にあるのが「愛情」ではなく「子孫の繁栄」だとしても。
彼らだって生きていたはずなのに。




偶々、人間に周りの生物より感情があって。
「憎い」「悲しい」「許せない」と相手に向ける怒りがあって。









『________全ては……鬼舞辻無惨』




そう。あの男が居なければ。あの男が鬼なんか増やさなければ。




そうしたら、鬼にされた人は無駄に人を傷付けずに済んだ。大切な人を失う人も居なかった。









ヒュッと風を切り、突然横から針が飛んでくる。水華は反射的にそれを避けると、そこでハッと我に返った。




漏れていた殺気に気付いて急いで収める。「よもやぁ…」と照れた様子で頭を掻いているが、そんな様子で出していい殺気の量では無かった。




威嚇している豚に向き直って、深く深呼吸してから地面に降りた。





『放ったらかしにしてしまって済まない!!正々堂々勝負して、君が負けたら君はご飯となれ!!』





いつも通りの笑顔に戻った水華は、自分より何倍も大きな豚に怯みもせず向かって行った。

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むむ(プロフ) - キナコモチさん» キナコモチさん落ち着いてください…私も似たようなテンションなんですから……続☆編です!!ひゃあああああああ頑張ります!!ありがとうございます! (2019年10月6日 12時) (レス) id: 88d277cac2 (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - 麗奈さん» 可愛いよな……(真顔)続編喜んでいただけて嬉しいです!頑張ります! (2019年10月6日 12時) (レス) id: 88d277cac2 (このIDを非表示/違反報告)
キナコモチ - 続☆編キタァァァァァアァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!щ('∀')щウィーーー (2019年10月6日 11時) (レス) id: a8b1629d5b (このIDを非表示/違反報告)
麗奈 - 続編(゚∀゚)キタコレ!!、水華可愛い…(真顔 更新頑張ってください。 (2019年10月6日 11時) (レス) id: 91fcdb8923 (このIDを非表示/違反報告)
キナコモチ - 大丈夫だと思っておきますね! (2019年10月3日 16時) (レス) id: a8b1629d5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むむ | 作成日時:2019年6月29日 22時

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