第2話 ページ3
とあるスラム街に、長い赤毛の少年が倒れていた。
スラム街では、そんなこと珍しくもない。しかし、少年は視線を集めていた。
それもそのはず。少年はスラム街に似つかわしくないしっかりとした高そうな服を着ていた上に、腰には剣のようなものを携えていたのだ。
しかもその少年は一瞬女性と見間違えるほど美しい顔立ちをしていた。
艶のある長い髪は、倒れているが故さらりと地面に流れている。
健康的だがどちらかと言えば白いような肌に、髪と同じ色の長い睫毛が伏せていた。
ある男が、その少年に近づいて行く。
男は優しい手つきで脈や呼吸を確認すると、前髪を軽く退かし顔を確認する。
すると男は「どうすっかなぁ…」と悩み出した。手つきこそ優しかったが、少年を人身売買にでも出すのだろうか。そんなことさえ、ここでは珍しくない。
暫く男がうんうん唸っていると、少年がカッと目を開いて飛び退いた。
『む!?!?反射で飛び退いたが人間か!!すまない、無礼を許して欲しい!!ところで今は何年だ!?ここはどこだ!?私は風音 水華、神だ!』
ババーン、と効果音がつきそうなほど少年はビシッと決めているが、言っていることは頓珍漢だ。少年を見ていた男も呆気に取られている。
?「…お前、何者だ?」
『むん!神である俺の質問に質問で返すか!!それもまた一興!!』
はっはっは!!と少年は元気よく笑っている。男は少年を心配していた自分が馬鹿に思えてきていた。
『俺が何者か…。ふむ、非常に返し難い質問だな!俺の何をどのようにしてどう知りたいのか、全くもって見当が付かん!!よもやよもやだ!はっはっは!!
そこでだ!貴方の事を先に教えて頂きたい!貴方の真似をして答えよう!!』
ビシッと少年は男に指をさした。分かりづらいが彼は遠回しに「人に名を聞くなら自分から名乗れ」と言っているのである。「貴方」と敬意を込めた様な言い方をしてはいるが、指を指すという無礼とも取れる行為からは彼の生意気さが伺える。
そんな事はつゆ知らず、「あー…」と一拍置いてから男は答えた。
ジ「俺はジン=フリークス。プロハンターだ。出身は…………くじら島」
ジンと名乗る男は、出身の部分だけ些か小声で答えた。「真似をして答える」と言っていたから出身地まで聞きだせるよう言ったのだろうが、どうも恥ずかしいらしい。
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むむ(プロフ) - キナコモチさん» キナコモチさん落ち着いてください…私も似たようなテンションなんですから……続☆編です!!ひゃあああああああ頑張ります!!ありがとうございます! (2019年10月6日 12時) (レス) id: 88d277cac2 (このIDを非表示/違反報告)
むむ(プロフ) - 麗奈さん» 可愛いよな……(真顔)続編喜んでいただけて嬉しいです!頑張ります! (2019年10月6日 12時) (レス) id: 88d277cac2 (このIDを非表示/違反報告)
キナコモチ - 続☆編キタァァァァァアァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!щ('∀')щウィーーー (2019年10月6日 11時) (レス) id: a8b1629d5b (このIDを非表示/違反報告)
麗奈 - 続編(゚∀゚)キタコレ!!、水華可愛い…(真顔 更新頑張ってください。 (2019年10月6日 11時) (レス) id: 91fcdb8923 (このIDを非表示/違反報告)
キナコモチ - 大丈夫だと思っておきますね! (2019年10月3日 16時) (レス) id: a8b1629d5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むむ | 作成日時:2019年6月29日 22時