この時を ページ25
あらかじめドナテロから送って貰っていた道順を頼りに下水路を練り歩く。
ゴールが近づくにつれていくつか覚えている風景があちらこちらに見受けられて緊張して仕方ない。
あれから少し大人になったみんなは、また私のことを受け入れてくれるだろうか。
そして、彼も。
今もあの時と変わらない気持ちで、私のことを……。
それで欲を言えばそれ以上に想ってくれればいい。
なんて、えへへ……恥ずかしいな。
さて、そんなことを考えている間にも私の足は忙しなく働いており、逸る気持ちを隠せないまま目的地にたどり着いた。
えーと、確かこの配電盤を開いて、と……。
操作盤のロックを解除するコードを入力し、赤く丸いブザーを長押しする。
壁の向こう側でジリリリと非常用ベルのような音が聞こえたような気がした。
これでいいのかな？
送られてきた文面ではここで指示は終わっていて、そのあとに″good luck″の文字が最後の行に綴られている。
ドキドキと胸を弾ませて待っていると目の前で丁寧に組み上がったレンガの壁がじりじりと音を立てながら左右に割れた。
パァン！！
「きゃあ！！」
炸裂音、眼前に迫る物体、火薬の匂い。
私は反射的に身を仰け反らした。
瞬間的に頭が真っ白になった私には、見覚えのある緑の肌がかろうじて見えただけで、そのあとすぐに身構えることになる。
仰け反らしたことで後ずさりする両足ではバランスがとれなくなったため、お尻から崩れ落ちることを余儀なくされたのだが、その向かう先は、下水。
――せめて荷物だけでも。
肩に提げたボストンバッグを扉の向こう側に立つ影へ放った。
バシャン
そして扉が開ききった時、なんとも言えぬ、気まずそうな顔をした四人が、言葉を失っていた。
視線の先は、もちろん下水にひたひたになった私である。
「……サ、サプラーイズ」
クラッカーを持ったパーティー気分のオレンジは、あくまでもサプライズを押し通すつもりらしい。
いや、怒らないよ。
怒らないけど……。
「そのサプライズにはシャワー室利用チケットも用意されてる？」
「あ、ああ。もちろんだ。すぐに作るよ」
みんなは口々にお詫びの言葉を添えて私を引き上げてくれた。
バッグはラファエロの手に収まっていた。
その反射神経を考えると身体能力は以前と変わりはないようだ。
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猫田七樹(プロフ) - コトブさん» いやあん、こちらこそ読んでくださる方がいると嬉しくてたまりません！w いつも少しずつで申し訳ないんですけども何卒よろしくお願いします…！！ (2020年4月10日 1時) (
レス) id: ab2594ca6b (このIDを非表示/違反報告)
コトブ - 最近、更新頻度高くて嬉しいです！更新される度に大喜びしてます笑 読みやすいし、読んでて楽しいです！いつもありがとうございます！(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o))) (2020年4月9日 14時) (レス) id: 18baf5e626 (このIDを非表示/違反報告)
猫田七樹(プロフ) - コトブさん» うわああん、いつもありがとうございます！！ 励みになります(´；ω；｀)！ (2020年4月1日 2時) (レス) id: ab2594ca6b (このIDを非表示/違反報告)
コトブ - 集合写真の絵、すごく上手ですね！分岐ルートも全部読みました！更新してくれて嬉しいです！ (2020年3月31日 16時) (レス) id: 18baf5e626 (このIDを非表示/違反報告)
ココナッツ - 「グリーンな恋心」…………… タイトル良いですね♪ 面白いです！これからも頑張って下さい！！ (2019年3月13日 18時) (レス) id: b4096def55 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田七樹 | 作成日時：2017年10月3日 21時
