お互いに ページ50
しかし、これでは少し不格好ではないだろうか。
恐る恐る私も腕を回してみる。
今井さんの背中に触れた時、これ以上ないほど幸せが溢れ出した。
練習台とは言え、今井さんに抱きしめられてるなんて。
……でも今井さんの中では姉さんに置き換わっているんだよね。
少し辛いものがあるけど、それでもやっぱり嬉しかった。
一方今井さんは、抱きしめ方を試行錯誤しているのか、私の背中を行ったり来たりしていた。
さすがに首と腰をスっとなぞられた時は驚いてしまった。
「ひゃっ……！ も、もうだめです！ 終わりにしましょう！」
「エッ、もう……」
しょぼんとした顔で見つめられた。
そんな顔しないでよ、もー！
「とにかく、今日は終わりです！ ……練習ならいつでもいいですから」
ぷいっとそっぽを向くと、気まずそうに頬杖をつく谷川さんがいた。
「た、谷川さん！ お菓子食べます？ お隣さんから旅行のおみやげに頂いたおいしいおまんじゅうがあるんです！」
「え？ あ、いただきます！」
「どうぞどうぞ！ い、今井さんもどうですか？ おいしいですよ」
たどたどしい雰囲気の中、いつもの勉強会がスタートした。
……が実の所、真面目に取り組んでいる者は誰一人いなかった。
我らが今井勝俊は想い人と結ばれたこと、更にはその腕にぬくもりを感じられたことに浮つき、教科書を手にしたのはいいものの読み進めるふりをして余韻にふけっている。
Aもまあ似たような心情で、こちらは器用に鉛筆を走らせつつ気持ちに整理をつけているようだ。
谷川についてはどうしようもない居心地の悪さに眉をしかめながら、先程感じた違和感に今更焦りを覚え始めていた。
このままだとカクジツにこじれるよなァ。
そんな思いを宿した目線は件の男女を交互に見据え、胸の中へなりを潜めた。
――――――――――――――――――――――――
作者より
お話がいっぱいになりましたので続編へ続きます。
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猫田七樹(プロフ) - のてさん» すみません、まだ作っていないのです(；▽；) でもこれから作ります！ 更新ペース遅くなるかもですが楽しみにしててください！！ (2020年9月8日 1時) (
レス) id: ab2594ca6b (このIDを非表示/違反報告)
のて - 続編ってどこにありますか？？ (2020年9月7日 23時) (レス) id: 33a7fd7eb5 (このIDを非表示/違反報告)
猫田七樹(プロフ) - クソすぎる駄作者さん» ぺーヽ(ﾟ∀｡)ﾉ (2019年1月25日 17時) (レス) id: 13e53b62aa (このIDを非表示/違反報告)
クソすぎる駄作者(プロフ) - 猫田七樹さん» ううううううん！！それで大丈夫だ！いや待てよ…？なんなら1000回押そうか… (2019年1月25日 0時) (レス) id: 2effaca00b (このIDを非表示/違反報告)
猫田七樹(プロフ) - クソすぎる駄作者さん» もももももちつけ！！ 君の気持ちは痛いほど分かった！ よし、それなら同じ内容の小説を100回投稿する。それでいいな？ なっ？ (2019年1月24日 12時) (レス) id: 778e43cdb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田七樹 | 作成日時：2018年11月1日 2時
