羽が生えた日 ページ23
恋なんてもの、この世に存在するのだろうか。
誰かが言ってた。
人は自分で体験したことのないものは存在しないって定義するんだって。
だからアイコがどれだけ私に「それは恋だよ」って言っても、私にはそれが分からない。
全く……その通りだよね。
はあ、と小さくため息をつくと、鼻の先に小さな雨粒がぱたと跳ねた。
雨が降ってきたようだ。
マフラーに埋もれていた顎をゆっくりと上げる。
厚い雲に覆われた空は私の心にも似てうねり、ひしめいていた。
「変なの……。生きてるみたい」
そんなことはあるはずがないのに、まるで雲は感情があるかのように悶えているように感じた。
「Aさん！ お待たせしました！！」
聞きなれた彼の声が私の心を現実に引き戻した。
「今井さん、こんにちは。あれ、今日は谷川さんはいらっしゃらないんですか？」
いつもは見る影がそこに無いことに気づく。
いつもは谷川さんが今井さんをなだめる、というか……緩衝材になっていたところもあるから……。
「谷川はァ……アレだ。補習でな、居残りだ」
「ええ！？ 谷川さんが！？ で、でも今井さんは補習じゃないじゃないですか！」
あっ、と思って口を紡ぐ。
やばい！ 私、今井さんに失礼なことを！！
「Aさん……」
「はっ、はい……！！」
「アナタのおかげですよ……。こうして毎日俺たちのベンキョーを見てもらってるから」
少々言い方がクサく感じたが、そんなところもきっかけに、自然と笑みがこぼれる。
それなら谷川さんの成績が悪くなるのはおかしいでしょ。
ふふ、でもはぐらかしているんだからこれ以上追求しないようにしないと。
「それじゃあ、今日もよろしくお願いしますね」
彼の家に続く道を二人で歩いた。
ぽつぽつと落ちてくる雨のしずく。
折りたたみ傘を出すか出さまいかを考えていると今井さんが口を開いた。
「そろそろ雪になりそうですネ」
「……あ、そうですね。これだけ寒いと雪になるかもしれませんね」
「た、体調の方はイカガですかッ！？」
いつも尋ねられるこの質問。
あの一件以来、今井さんは私の身体が弱いと思ってしまったのか、事あるごとに言われる。
あの日はたまたま風邪ひいただけなんだけど……。
「今井さん、私はそんなにヤワじゃありませんよ。心配してくれるのは嬉しいんですが……」
「イイエ！！ ボクはAさんの傘です。どんなに雨風がヒドくてもアナタをお守りしなければならないのです」
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猫田七樹(プロフ) - のてさん» すみません、まだ作っていないのです(；▽；) でもこれから作ります！ 更新ペース遅くなるかもですが楽しみにしててください！！ (2020年9月8日 1時) (
レス) id: ab2594ca6b (このIDを非表示/違反報告)
のて - 続編ってどこにありますか？？ (2020年9月7日 23時) (レス) id: 33a7fd7eb5 (このIDを非表示/違反報告)
猫田七樹(プロフ) - クソすぎる駄作者さん» ぺーヽ(ﾟ∀｡)ﾉ (2019年1月25日 17時) (レス) id: 13e53b62aa (このIDを非表示/違反報告)
クソすぎる駄作者(プロフ) - 猫田七樹さん» ううううううん！！それで大丈夫だ！いや待てよ…？なんなら1000回押そうか… (2019年1月25日 0時) (レス) id: 2effaca00b (このIDを非表示/違反報告)
猫田七樹(プロフ) - クソすぎる駄作者さん» もももももちつけ！！ 君の気持ちは痛いほど分かった！ よし、それなら同じ内容の小説を100回投稿する。それでいいな？ なっ？ (2019年1月24日 12時) (レス) id: 778e43cdb3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田七樹 | 作成日時：2018年11月1日 2時
