感染3日目 恋する気持ち ページ40
バン、バンと2発撃ち込むと、上のゾンビは大量の血をぼとぼとと垂らしながら、がくんと力尽きた。
一方の私は、その血を顔中に浴びながら、鼻と耳に入らないよう願っていた。
こ……こわいっ……。
ゾンビの素が私の顔中に……っ！
少しでも気を抜けば、私もあいつらみたいに！
怖いよ……。
浴びた血が寒さで一気に冷えたのと、恐怖心とで体がぶるぶる震えだした。
誰か、誰か……。
血に塗れた右手を宙に伸ばすと、大きな手がしっかりと掴み取ってくれた。
よかった……、レオンさんッ！？
掴まれた手をそのまま引き上げられ、担ぎ上げられた。
ちょ、ちょっとこれはっ……！
パンツがっ……！！
ただ、立って歩かせられるよりかは血が首の下まで垂れて来ず助かった。
廊下に出て数メートル歩いた先で降ろされ、頭をぐっと下げられた。
混乱で全く状況が理解できなかったが、後頭部からキーンと来るぐらい冷たい水が流れてきて、ようやく分かった。
流してくれてるんだ、この血を。
し、しかし寒い……。
首から上をまんべんなく水で流してるから、体温がどんどんどんどん奪われていく。
半端なく震える体を不憫に思ったのか、レオンさんは着ていたジャケットを私の肩へ掛けてくれた。
ジャケットの重さとかすかな体温が、私の心を癒してくれる。
「…………」
耳元を流れる水のせいでよく聞こえなかったが、レオンさんは大介くんへ話しかけたようだ。
せわしなく私の髪をすすいでくれている手を感じながら、こんな状況なのに幸せを感じてしまった。
ぐしゃぐしゃに洗うんじゃなくて、ちゃんと髪の流れに沿って梳いてくれる。
レオンさん、本当に優しくて……好、き。
えっ……？
好き……？
私、レオンさんの事が、好き？
今まで幾度かレオンさんの容姿端麗な所だったり思いがけない出来事だったりでドキドキはしたけど、それは単純に慣れていないからだと思っていた。
こんなに綺麗な顔立ちの人に、至近距離で触れ合う、なんて事は無かったから。
好意はあっても恋愛対象としては意識した事が無かった。
好き、なんだ。
どきゅっ
突然ひとつの鼓動が心の奥底から響いた。
少し言いづらいんだけど弓道で例えるなら、今まで手先だけの力で引いていた弓を上半身の全ての力を使って弓の限界まで引き抜いた感じ。
でも引き抜いた後は甘く、すっぱく、名残惜しむように溶け込んでいった。
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cherrymay(プロフ) - 続編、楽しみにしてます！頑張って下さい！ (2016年10月30日 13時) (
レス) id: 3524541590 (このIDを非表示/違反報告)
Tey - 4大好きです！こんなにも内容が深く面白いストーリーが読めるのは幸せです！ (2016年10月27日 13時) (レス) id: 73fe050e5b (このIDを非表示/違反報告)
華恋 - 面白いですねw (2016年10月23日 11時) (レス) id: 97cefa2b38 (このIDを非表示/違反報告)
紫恩 - プチ英会話教室、、、、面白そう！！！← (2016年10月23日 11時) (レス) id: aaa53fac67 (このIDを非表示/違反報告)
神染紫凪 - 皆様、少し間を空けてしまいすみません(＞＜) そろそろラストスパートです！ 皆様も一緒に燃え尽きましょう！！ ちなみに英語がちゃんと英語になってないのは悪しからず…。 雰囲気で感じてください( ´∵｀) (2016年10月22日 22時) (レス) id: f63f5c3883 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田七樹 | 作成日時：2015年2月3日 8時
