感染3日目 油断 ページ37
油断。
そう、私は油断していた。
せっかく忠告してくれたのにも関わらず、張り詰めていた神経を緩めてしまったのだ。
「はぁー、すっきりしたぁ！」
ほっこりした顔というのは、まさに今の私の顔の事を指すんだろう。
さ、早く帰らなくちゃ！
洗浄レバーをひねって水を流すと、何故だかいつもより音が大きく感じられた。
そっか、閉め切られた個室じゃないし、トイレと廊下の間に扉がない。
だから廊下まで響いてるんだ……。
誰もいないとはいえそんな響くとちょっと恥ずかしいな。
個室から出て手を洗っていると、どこからかコツ、コツと2人分の靴音が聞こえてきた。
レオンさん達か。
もー、何で教えちゃうかなぁ！
確かに危険なのは分かるけど、こういう時ぐらい1人にさせてよね！
文句の一つでも垂れようと廊下へずいっと顔を出した。
私の目の前に現れたのは、血だらけの生物だった。
そいつは人間だった原型をほぼ留めておらず、何故まだ生きているのか不思議に思うぐらいぐちゃぐちゃだった。
お腹の皮膚はめくり上がり、歩くたびに内蔵がグチュグチュと音を立てる。
頭は右頭部が頭蓋骨まで見えるほど裂けている。
2体とも、身体はボロボロになっていた。
「はっ……はっ……はっ……」
恐怖で叫び声をあげる場面は映画やドラマでよく見かけるけど、本当に恐怖を感じた時は呼吸も出来ないほど体が硬着する。
その硬着が幾分か解けると、ひとまず呼吸をしようと自分の意志とは関係なく、脊髄反射のように呼吸を始める。
真綿で首を絞められるかのごとく、じわじわと追い詰められていく私。
無意識のうちにハンドガンを手に取った。
(たたかわなくちゃ)
ぽっと頭に浮かんだその言葉が私の心に火をつけた。
ハンドガンの安全装置を解除し、手前にいる奴の頭を狙う。
失敗は……死だ。
大丈夫、こんなの弓道に比べたら近すぎて狙う程でもない。
不意にプレハブ小屋を出た時とホテルのシャッターが開いていた時の事を思い出した。
レオンさんに頭を何発も撃ち込まれていたゾンビ。
最低3発は撃ち込まなきゃいけないようだ。
モタモタしている暇などない。
いくよっ！！
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cherrymay(プロフ) - 続編、楽しみにしてます！頑張って下さい！ (2016年10月30日 13時) (
レス) id: 3524541590 (このIDを非表示/違反報告)
Tey - 4大好きです！こんなにも内容が深く面白いストーリーが読めるのは幸せです！ (2016年10月27日 13時) (レス) id: 73fe050e5b (このIDを非表示/違反報告)
華恋 - 面白いですねw (2016年10月23日 11時) (レス) id: 97cefa2b38 (このIDを非表示/違反報告)
紫恩 - プチ英会話教室、、、、面白そう！！！← (2016年10月23日 11時) (レス) id: aaa53fac67 (このIDを非表示/違反報告)
神染紫凪 - 皆様、少し間を空けてしまいすみません(＞＜) そろそろラストスパートです！ 皆様も一緒に燃え尽きましょう！！ ちなみに英語がちゃんと英語になってないのは悪しからず…。 雰囲気で感じてください( ´∵｀) (2016年10月22日 22時) (レス) id: f63f5c3883 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田七樹 | 作成日時：2015年2月3日 8時
