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「そんなに緊張しないで下さい。私はあなたの味方です。」
目の前で体を硬くさせる女性に微笑みかける。
「まずは、あなたが思う理想の恋愛を教えて下さい。」
恋愛コンサルタント。
私の職業を詐欺だと言う人もいる。
でも、この仕事は、私にとって天職だった。
現代は恋愛を避ける傾向がある。
SNSの普及、女性の社会進出。
デートはお金がかかる。時間も取られる。
でも、恋愛はすべてきっかけ。
私はそのきっかけを作って、背中を押すだけ。
誰だって、恋愛をする切符を持っている。
その旅に出るための手助けをするだけ。
「大丈夫。きっと、うまく行きます。」
1度目の相談を終えて、一息つく。
事務所に飾った、クピードの絵画。
弓を射る寸前のその愛の神が持つ弓は2種類ある。これはいったい……。
鳴り響く電話の音。
「もしもし。恋愛コンサルタント、花宮と申します。」
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作者名：SoRA | 作成日時：2021年5月10日 20時
