すの恋、詰め合わせ。 (ページ6)

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『…というわけなんだけど』

放課後。今日はバイトだからと先に帰った大ちゃんを見送ってから1年生の教室で後輩の阿部ちゃんを捕まえると

ちょっと困った顔をしながらも一緒に帰ってくれることになった。

「もっと自信持っていいと思うんだけどなあ…」

なんの根拠があるのか、大丈夫だ自信を持てと繰り返される。

『その自信、どこから来るの？…でもありがと』

なんて話しながら帰ってるうちに、阿部ちゃんとの分かれ道。

『じゃあね、バイバイ』

そう告げて帰ろうとすると、何故か呼び止められて。

「あ、ねえ、今ちょっと告白してみてよ」

突然、そう告げられる。

『え？』

突拍子もないことを言う阿部ちゃんに戸惑っていると、

「ん〜、やっぱり告白してみないと現状ってどうしても変わらないと思うんだよね。でもいきなり告白するのって緊張するじゃん？俺を佐久間だと思って１回告白してみて？ほら、練習」

と。なんだか少しニヤニヤしている様子。

これは…からかわれてるのかなあ…と思いつつも今まで阿部ちゃんのアドバイスは間違ってたことがないから。

なんで急に？と思いつつも

『わかった』

と従う。阿部ちゃんと向き合うと、阿部ちゃんも真剣な表情になって。

…う、なんか練習とはいえ緊張する。

心音が早くなるのがわかって、顔が思わず火照る。

それでも意を決して、阿部ちゃんの目を見て。

『…ずっと前から好きでした。…私と付き合ってもらえませんか？』

そう発した時に、

「ちょおおっとまったあああ！！」

…威勢のいい近所迷惑な声が、聞こえた。