すの恋、詰め合わせ。 (ページ5)

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ツルニチニチソウ_skm ページ5

「ねえねえ、A」

『うん？どしたの？』

隣の席の大ちゃんこと佐久間大介は、幼なじみで、昔からの付き合い。

家も近くて趣味もあって、ちょっと馬鹿だけど優しくて…私はそんな大ちゃんにいつの間にか惹かれてたみたいなんだよね。

「はい、Aにこれあげるでやんす！」

『…押し花のしおり？』

「これ、ツルニチニチソウって言うの。知ってる？」

『いや…初めて聞いたかな…』

ツルニチニチソウ。なんだか長い名前の花だなあ。

「バイト先に花が好きな友達がいて教えてもらったの。その花、花言葉”幼なじみ”って言うんだって！俺らにぴったりじゃん！と思って」

『そうなんだ！それは確かに私たちだね。…ありがと！』

「幼なじみ以外の意味もなんか幸せな意味ばっかりだから！」

その時は単純に大ちゃんからもらえた押し花がうれしくて、その日はそのまま家に帰った。

ベッドにダイブして早速この花のことを調べようとスマホで検索する。

『え〜っと、、なんて花って言ってたっけ…ツル…う〜ん…あ、これだ！』

名前はしっかり覚えてなかったけど「花言葉幼なじみ」で検索すると出てきたツルニチニチソウって花。

花言葉は確かに"幼なじみ"。

私はこの壁超えたいんだけどなあ。

なんて思いながらそういえば「他も幸せな意味ばっかり」なんて言ってたなあ…って

他の意味を調べるべくスクロール。

え〜っと、他の意味は…

なんて見てたらいくつかあるうちの中から引っかかった言葉。

『生涯の友情』『楽しい思い出』

え、

生涯の…友情？

…そっか、いつか幼なじみ壁越えられるって思ってたのって、私だけだったんだ。

大ちゃんがこれを知ってて"素敵な意味”と言ったなら、私たちは一生友達だって思ってる…ってことなんだ………

ひとりで落ち込んで、ぐるぐる考えて。

結局その日はそのまま、落ち込んで寝たんだ。