すの恋、詰め合わせ。 (ページ18)

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カフェオレ_mgr ページ18

毎週水曜日16時30分。

今日も会えるかな。

バイト先でちょっと気になっている人がいる。

背が高くて、黒髪が似合っていて、笑うとかわいい人。

名前すら知らなくて、大学生…くらいだと思うけど何してるのかも知らなくて、ただカッコイイなって眺めてるだけなんだけど。

唯一知ってるのは、彼はいつも水曜日の16時30分にこのカフェに訪れて、カフェオレを買っていくってことだけだ。

カラカラ、と心地よいベルの音。

ドアが開いて、黒髪の彼が入ってくる。

あ、今日も会えた。自然と鼓動は早まっていて。

だけどいつもと違うのは、友達を連れていること。

珍しい。いつも1人なのに。

「なあめめ、ここ何が美味しいん？」

「え、俺いつもカフェオレしか頼まないからわかんない」

めめ…名前ではないだろうし、あだ名かなあ。

なんてぼんやり考えていたら、

「すみません、店員さん。オススメなんですか？」

って話しかけられた。いや、彼からしたら店員にオススメ聞いてるだけなんだけど。

『…そうですね。当店のオススメはやはりこちらですかね。甘いのがお好きならこちらもオススメですよ』

オリジナルコーヒーとハニーラテを紹介すると、

「そうなんや〜じゃあ俺はこれで」

『はい、畏まりました』

お友達の関西弁の方がコーヒーを頼んで。彼はいつものカフェオレかなあなんて考えていたら、

「じゃあ、俺はこれで」

と、私が勧めた甘いハニーラテを指すから。

『えっ』

カフェオレじゃないんだ、意外。そう思った時には既に声に出してしまっていて。

うわ〜、絶対引かれた。何やってんだ私…

1人で自己嫌悪に陥っていると、

「ふふ、俺いつもカフェオレですもんね、店員さんも驚きますよね」

『あっ、いや、その、すみません……』

笑いかけられたのが嬉しくて、でも恥ずかしくて。

思わず小さくなる声。

｢でも勧めてくれたから、飲んでみたいなって思ったんです｣

と、目を合わせて彼が言うから。

『…美味しいですよ』

話すきっかけをくれた、お友達さんありがとう…

ていうかハニーラテって甘党なんだ。かわいいな…

その笑顔とギャップに、更に好きが増した。