すの恋、詰め合わせ。 (ページ16)

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でもクラスだけだったらいいけど、帰り道まで着いてくるのはちょっとやめてほしい。

ていうかいつもは帰りさすがに別々なのに。

「Aちゃん家こっちなの？俺と方向一緒だね！」

って方向が同じなだけなのに、嬉しそうにニコニコ笑ってる彼。

『…楽しそうでなにより』

私はまたも軽くあしらいつつ、それでも渡辺がたくさん話しかけてくれるから正直、話は弾んでちょっと楽しい…なんて。

そんな風に話しながら歩いていたら、曲がり角で男の人とぶつかってしまって。

『…あ！すみません…』

「いえ、こちらこそすみません」

では、とペコリと一礼して去っていった人は…すごく顔面が整っていて。

高身長だし、目も大きくて。

"おい目黒、何やってんだよ〜”

って友達の声が聞こえたから、目黒さんって言うのかな。…なんてぼんやり考えていたら、

「ねえ、ちょっと！俺よりさっきのやつのがタイプなの？」

ってわかりやすく怒ってる彼。

『え、いや別に。…ちょっとかっこいいなって見てただけ』

あ、思わず本音。

その言葉に余計拗ねたのか、

「……俺も、わりとかっこいい方の部類には入ると思うんだけど」

なんて言う。

え、それ自分で言っちゃうの？

まあ確かに、渡辺だって顔面はいい。

荒れやすい年齢なのに肌も綺麗だし、瞳はうるうるしてて、鼻はスっとしてて…って、なんかついじっと見ちゃったじゃんか。

『もう、いいから帰ろ』

そう言って歩きだそうとしても、渡辺は動かなくて。

『…置いていくよ？』

って、さすがに本当に放って置いていく気は無いけど声をかけても無駄で。

『どうしたの？』

さすがにちょっと心配になる。