すの恋、詰め合わせ。 (ページ14)

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その声があまりにも優しいから、さっきまで堪えていた涙も出てきて。

『あのね……翔太先輩、彼女出来たんだって……』

と泣きながらもそう告げると、

「そっか……」

って照まで困った顔をしてくれるから、ほんとに優しいなって。

よしよしってそのまま頭を撫でてくれるから余計に涙がポロポロと零れ落ちてくる。

『う〜〜……好きだったのになあ……』

予鈴がなることも気にしないで、照はずっと慰めてくれた。…授業、サボっちゃった。後で謝らなきゃ。

それでもしばらくして落ち着くと、高校生にもなってこんなに大泣きするなんて、って急に恥ずかしくなってきて。

『ま、まあ翔太先輩よりいい人が絶対そのうち現れるよね！！』

って明るく取り繕う。…今更だけど。

だけどそんな私に何故か真剣な顔をした照が、

「…じゃあさ、今度好きになる人はさ」

って言い出すから。

『ん？』

思わず聞き返すと、

「俺にしない？」

ってくしゃっと笑う彼。その顔があまりにも眩しくて。

『…へ』

「俺の事好きにさせるから」

「ね、俺のこと、ゆっくりでいいから好きになって？」

そのセリフとその表情に、翔太先輩が好きなはずの私が

ドキッとしてしまったのは、まだ内緒。

…もしかしたら、私が目の前のこの人を好きになるのはそう遠くないのかもしれない、なんて。

Fin…？