愛しい君よ、さようなら。【原石青】 (ページ10)

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『はあ……』

田中くんと出会って約1週間。

毎日毎日、田中くんから送られてくるLINE。

どうしていいかも分からず、

既読をつけるだけにしている。

「なんや櫛木、ため息なんかついて〜」

『向井はうるさいから黙ってて。』

「なんやて？！？！」

「なに、どうしたの櫛木。珍しいね？」

『あ、こち〜…あ、そうだ久しぶりにご飯行かない？』

「え、いいね！いこいこ！」

この笑顔が可愛いのは、髙地。

向井と私と同期で、仕事は向井よりできる。

よく一緒に仕事をすることもあるくらいで、

色々お互い深い話もする仲だ。

「おれも連れてってーなぁ…」

『向井は仕事終わらせなー！じゃ！』

「なに、久しぶりじゃない？」

『いやーちょっとね…笑』

「なに、男？」

『まあそんなとこ。』

2人で食べに来たのは、

この前田中くんときたスタバ近くのパスタ。

私はカルボナーラで髙地はペペロンチーノ。

「今度こそ仕事と結婚するんじゃなかったの？」

『私はそのつもりなの！なんだけどさ〜…』

私は全てを話した。

「なんか……凄いねその子の行動力。」

『行動力は確かに凄いのよ。でも、私なんかになんでっていうかさあ……』

「年齢とかそんなの気にしないで連絡してあげなよ？」

『あのね、私これでも別れたばっかなの。』

「はい…」

『そもそも年下には興味無いの。』

「はい。」

『余計にこれ以上仲を深めたくないのよ…』

そう、一応独り身になったばっかなのである。

そして元々年下に一切興味無いのである。

「まあ、櫛木の気が向いたらさ、」

ぽんぽんと肩を叩かれた。

「連絡、スタンプくらいは返してあげてもいいんじゃない？」

『……考えとく。』

はあ、なんでこうなったかな…