愛しい君よ、さようなら。【原石青】 (ページ20)

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『おはようございます〜…』

自分の机に向かおうとした時、

「櫛木、ちょっといい？」

髙地が声をかけてきた。

『なに、どうしたの？仕事？』

「じゃなくて……今日、昼飯一緒に食おう」

髙地から昼飯のお誘いなんて久しぶりだ。

『いいね、久しぶりに行こう！髙地の奢りね。』

「はあ？なんで？？？」

『だって私まだ奢ってもらってないもん。』

「え？……あー…あったねそういえば笑笑」

『絶対忘れてたでしょ笑笑』

『じゃあ、またお昼ね。』

『で？なによ、いきなり誘って。』

「え、あーいや……元気ないなーって思って。」

『……そう？』

まあ、髙地はいずれ気づくのだろうと思っていた。

「彼と何かあったの？」

『……ねえ髙地……私、どうすればいいと思う？』

「んー……特に何があったのかは分からないけどさ…」

髙地がゆっくりとコーヒーをすする。

「櫛木はもうちょい素直になればいいと思うよ。」

「弱みを見せないし、簡単に頼らない。」

「もう少し他人に心の内を見せた方がいいと思うけど…？」

過去に苦労してきた髙地が言うのなら、

あながち的外れでは無いのだろうけど……

『今更…そんな事出来る訳ないでしょう……？』

「まあ、初めは難しいかもね。」

でも、と言葉を区切って、私と視線がぶつかり合う。

「今までの櫛木を知らない人なら出来るんじゃない？」