愛しい君よ、さようなら。【原石青】 (ページ13)

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スタバの辺りにつくと、

フェンスにもたれるピンク髪。

白Tに、ブルゾンとジーパン。

腰の辺りから揺れて見えるキーケース。

え、本当に田中くん高校生？？？

と、遠くから観察していたら田中くんと目が合った。

私を見つけた瞬間、まるで犬みたいに駆け寄ってきた。

「こんばんは…Aさ、あ、櫛木さん。」

名前で呼ぶなと言ったのを覚えていたようだった。

『こんばんは。で、ご飯行くんでしょ？どこがいい？』

「あの、俺の好きな所付き合って貰えませんか？？？」

この年で行きつけがあるって…

本当に高校生らしくない高校生だな…

『まあ…いいけど。お酒ある所？』

「あ、はい。あります。」

『ならいいよ。どこ？』

「あ、こっちです。」

しばらくすると、1台のバイクの前で止まった。

「これ、つけてください。」

ヘルメットを手渡される。

『え、バイク？？免許は？？』

「あるに決まってるじゃないですか！！ほら、早く！」

言われるがまま、私は田中くんの後ろに跨った。

「寒くないですか？？」

『寒いわよ…こんな事ならもっと厚着してきたのに。』

「すみません…連絡しとけば良かったですね」

『……一応、目は通してるんだから。』

「……はい。ありがとうございます。本当に。」

『…別に…いいわよ。』