［完］初恋 △ アルカンジュ 。【黒】

25 ページ25

.



You



.









A「蓮ー！おきろ！！」


「あー、俺すげえ寝てた気がする」


A「すっごいいびきだったね！！！」


「疲れてんだよ〜こっちは」


A「うそだよ」





はー、っと怒ることも無くため息を着いた蓮。
いつもなら、すぐに怒ってたのにね。

大人になっちゃったね。





A「これ、運んでー！！」


「こーゆー時だけ女ぶるなよ」


A「いっつも可愛らしい女ですけど」


「…たしかに。」





…なんで？
なんでそんなに突っかかってこないの？

いっつもなら煽るように言ってくることを、
今日はずっと肯定してくる。





A「今日の蓮どうしたの？」


「んー？別にー？
幸せな渡辺Aさんに優しくしてないと幸せになれねーかなって」


A「蓮は幸せにさせてあげるために待つんでしょ？」


「そーそー。
幸せそうで可愛げのある子のためにな」




悲しそうな顔してんじゃん。
もう叶わないってわかりきってんの？

なんで？





A「なんでそんなに悲しい顔してるの？」


「もう、会えねーから」


A「…そっか」





何かを覚悟したかのように
キリッとした顔で荷物を運ぶ蓮。

こんな蓮がそばに居て、
他の人選んじゃった人なんでなんだろ。

って、私も同じ部類か、笑





「シートベルトしたか？」


A「うん！」





私の言葉を合図に車を走らせた。








.

26→←24

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す