【現パロ】夢から醒めても3(前)/教祖様 ページ20
如何してこうなった?
目の前には、夢で見て来た"教祖様"が きのする笑顔で此方を見詰めている。
手を引かれるまま駅前の人の賑わうカフェへと入ったが、目の前に座る青年のせいで落ち着かない。
改めて見るとTheイケメンと行っても過言では無い。
長身美丈夫。モデルと言っても頷ける均整の取れた体躯に白い肌。
白橡色の長い髪と何よりその日本人離れした顔と虹の球みたいな瞳が目を惹く。
そんな青年と対峙する自身はどうだ?
周囲も青年突出した魅力にコソコソ見ているのが解る。
そんな彼の前に居る自分はどうだ?(2回目)
ただのモブだ。こんなイケメンと向かい合う立場じゃない。
「さて、君は俺を知ってる──否、俺と同じ容姿の男を何処まで覚えてる?」
他人が見たら人好きする笑顔だ。
けれど、夢の中の"あの笑顔"のせいで警戒してしまう。
「貴方が教祖様で、身の回りの世話をしていました」
夢だと言いきれれば良かったのかもしれない。だが目の前に座る"教祖様"は此方が其れを知っていると確信している。
何より不意を付かれたとはいえ、口走ってしまった。
『 ──…教、祖…様』と。
「うん、それから…?」
虹を閉じ込めた様な極彩色の瞳が細められて、次の言葉を促される。
「──…教祖様、に「あ!童磨。」
不意に遮られた言葉に、え?と聞き返してしまう。
「あァ、今は教祖様じゃないし。俺の名前ね。童磨。あ、遮ってごめんね。」
「…は、ぁ。それで──…貴方に殺されたかと」
ざわめきに紛れて、人がこんなにいる所で話す内容では無いと少しばかり声を抑えて。
「うん、正解。──…ふふ、君凄いねぇ」
青年─童磨─は、1度驚いた様に目を見張ったと思えば、何処か楽しそうに笑いだした。
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作者名:ゆきの(snow-no) | 作者ホームページ:http://id24.fm-p.jp/277/snownobox/
作成日時:2020年2月23日 1時