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お題:恋の台詞 5-1 /童磨 ページ1

1.「抱き締めて、いい?」

冬にしては暖かい午後の陽射しの中、万世極楽教の中庭に独り佇む。


「──…」
微かに聞こえた声。
気の所為では無いが何処からしたのか、と視線を巡らせれば屋敷の中。
陽の射さない奥の縁側に気配を感じ振り返れば、見慣れた姿があった。


「…教祖様、まだ日が高いですよ」
「そうだね、君は日向ぼっこかい?」


そう穏やかな口調で光と影の境界線まで出て来たのは、この万世極楽教の教祖である青年。


「今日は暖かいから」
そう答えつつ、縁側に立つ青年の側へ歩み寄りその境界線に腰を下ろす。


「教祖様もしますか?」
「俺は良いよ、それよりも抱き締めて、いい?」
背からそう問われ、何故確認されたのかと思いつつ是と頷けば脇の下にズボッと手が生えた。
「ッッ?」
予想に反した行為に驚き肩を跳ねさせたが、青年は気にする事無く軽々とそのまま肢体を持ち上げ自身の膝の上へ乗せると背後から抱き込む様に抱き締めた。




「──…うん、体温と違う熱と香りがするね。」
「そ、うですか?」
首筋に顔を埋める様に擦り寄られ、耳元で囁く声が艶を帯びてる気がする。


「これがお日様の香りかい?」
「さぁ、そうなんじゃないですかね」
問われた所で普段の香りも、どちらかというと自身より青年の纏う香の香りしか知らないのだ、お日様の香りなんて意識した事も無い。


「教祖様、重くないですか?」
どれ程の時が経ったのか、屋敷に伸びる影が伸びているだけは過ぎたが、青年はまだ飽きないのか抱き締め続けている。


しかし教祖様の膝の上にいつまでも居るのは、些か居心地が悪い。
──…というか、行き交う他の信者達の視線が辛い。


「重い訳無いじゃない。他の人の目も気にしないー」
「……そう、です、か…」


首筋に触れる唇から零れる吐息に、諦めた様にため息零すとその背に身体を預けて落ちてゆく日をぼんやり眺めていた。


■恋の台詞お題
1.「抱き締めて、いい?」
2.「…知ってた。ごめん」
3.「俺を妬かせて楽しい?」
4.「そうやって煽るの、反則」
5.「最期まで、って事」


お題bot【milk】
https://twitter.com/milkmilk_odai/status/1230017192327970816?s=19

お題:恋の台詞 5-2(前)/童磨※微グロ→



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作者名:ゆきの(snow-no) | 作者ホームページ:http://id24.fm-p.jp/277/snownobox/  
作成日時:2020年2月23日 1時

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