紫陽花 10 ページ11
tn｢ひとらんらんも落ち着いたところで、一応やけど話の擦り合わせをしてもいいですかね｣
トンちが微妙な空気を変えるように話を戻した。
げどちゃんはさっきまでの殺気が嘘のようにしょげ返っているが、その殺気を全身中に受けてしまったショッピくんは未だに顔色が悪い。
あとでアフターケアせなあかんかな、と思いながらシッマの方に視線をやると、僕の思考が伝わったのか後で何とかしとくと視線で返される。
流石僕の相棒。
tn｢ひとらんは聞いとらんかったやろうけど、ショッピくんの情報とひとらんが前に言っとった話は殆ど同じや。
色がコロコロ変わる目とか、聞いたことあらへんしな｣
感情の起伏で色が変わって見えたり、光の当たり具合で色が変化したように見えることは時折あるだろう。
現にげどちゃんは先程怒りで濡れ羽色の瞳が赤みがかって見えた。
いや、実際に赤くなっていたのかもしれないことを考えると、げどちゃんの一族は瞳の色が少なからず変わる素養があるのかもしれない。
ふと、一つのことを思い出した。
ut｢げどちゃんさ、妹さんの写真持ってなかったっけ？ほら、僕ら前に見せて貰ったやつ｣
ht｢あ｣
げどちゃんも僕に言われて思い出したのか、いそいそと服の中からロケットペンダントを取り出した。
前は写真だったが、今はロケットの中にあるようだ。
おそらくマンちゃんにでもオススメされたのだろう。
写真だと落としてしまうことがあるが、ロケットペンダントなら首にかけさえすれば、鎖が千切れない限りずっと身につけられるものだ。
ht｢はい。昔の写真なんだけど、どうかな｣
げどちゃんがショッピくんにロケットを渡した。
ロケットペンダント自体は金属がシルバーにで、水晶がつけられた明らかに高そうなもの。
げどちゃんが選んだものじゃなさそうだな、おそらくこれもマンちゃんが絡んでそうだなぁなんて。
すると、写真を見て｢あっ！｣とショッピくんが声をあげた。
rb｢お、やっぱショッピくんの言ってた子？｣
syp｢はい。俺が知り合った時よりは幼いですけど、
確かに俺の知っているAです｣
sho｢おー、ひとらんよかったやん！ビンゴや！｣
ロケットを手に取るショッピくんの周りに僕とトンち、げどちゃん以外が群がり覗き込む。
昔の写真、ショッピくんにとっては5年前の探し人の姿に自分の記憶とすり合わせているのかじっと見つめている。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 635人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すずねこ - 更新頑張ってくださいね❗ (2022年7月11日 20時) (
レス) @page48 id: 5c9b7042cd (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - 夜さん» 続きは書きたいです…！ですがリアルが忙しくなかなか更新できないのが悔しいです…！コメントありがとうございます！待っていただければ、いつか、いつかは！！書きますのでお待ちください！ (2021年4月5日 23時) (レス) id: 8e20d2cd66 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - とても面白くて一気読みしてしまいました！まだ続きは書かれる予定ですか？書いてくださるならいくらでも待つので更新頑張ってください！ (2021年2月5日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - ウルズさん» コメントありがとうございます！パスワードの件はご迷惑おかけしました…(；´Д｀)最初の頃から見ていただきとても嬉しいです！ (2020年10月13日 23時) (レス) id: fa99c77dd8 (このIDを非表示/違反報告)
ウルズ - またこちらの作品が読めて嬉しい限りです。連載初期から文が素敵だと思い愛読してました。急に検索しても出てこなくなった事に驚きましたが、パスをかけられていたと知り納得しました。詳しい事情は分かりませんが、これからも頑張って下さい。更新楽しみにしています。 (2020年10月13日 22時) (レス) id: 18e5b459af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：スノウ | 作成日時：2019年10月30日 13時
