面倒くさがりマンネ-two- (ページ50)

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事務所の作業室。曲を作ろうと思って朝早くから作業を始めたのに、もう昼過ぎ
全く進んでない。イントロもサビもなかなかいいのができない

もうすぐ集合する時間だ

集まる前に少しだけでも
って思ったのに、手は進まず、この部屋の中が騒がしくなった

ラップラインのヒョンたち、それとPDニムが集まる

『そうだ、ヒョン～。歌詞できたんだけどさ、ラップとかまだ作ってないからそこらへんよろしく』

「お前、適当だな。ってなにしてんの」

『失敗作をポイしてるだけだけど』

ガバッっとユンギヒョンにマウスを奪われる

「ちょっと聞かせろ」

『聞かせろって大したものじゃないですよ』

「四の五の言わずにヘッドフォン貸せ」

首に掛けていたヘッドフォンを引っ張られて首が痛い。自分で外してヒョンに渡す
大体マウスはあなたが持ってるんだから、なにをそんなにせっかちになってるん？

首をさすっていたらホソギヒョンに頭をなでられた。ドンマイと言ってそうな笑み

画面の前になぜかみんな集合して、ヒョンが再生ボタンを押した

たくさん作ったボツの曲が順番に流れていく

『ね、こんなんじゃだめでしょ』

曲がすべて流れ終わる。誰もしゃべらなかった。やっぱりみんなダメだって思ってるんだろうな

「・・・・お前・・・」

三人の顔が一斉に僕を見る

「「なんでこんないいフレーズ消そうとしてんだ！」」

『はぁ？』

「はぁ？じゃねえよ。あほかお前は」

「いい曲なのに消そうとするなんて。もったいないでしょ」

「A。お前、凄いな。てかこんないいフレーズ消そうとするとかあほだな」

ホソギヒョン以外からあほって言われた。そしてユンギヒョンがものすごく口悪くなってる

「誰の許可で消してるんだ？」

作ったの僕だよ。許可とかそういう話はよく分かりません

ユンギヒョンの手によって、削除した曲が復元されていく

そして、また静かになって、曲を順番に聞いていく三人

「A、凄いな」

ホソギヒョンが肩を掴んで振ってくるもんだから、ほんとに褒められてるのか、それとも曲を消してたことに静かに怒っているのか。ヒョンなら考えてそうだ

『こんなののどこがいいんですか』

「どこがって全部」

人の話も聞かず、勝手に三人で話を進めていくヒョンたち

「僕もよかったと思うよ」

『PDがそう思うだけですよ』

「そうか？」

『そうですよ。もう作曲はあの三人に任せます』

『あんな曲のどこがいいんだ』

そう吐いて作業室を出た