面倒くさがりマンネ-two- (ページ33)

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携帯ページ33

「A君、大丈夫？」

作曲仲間のが聞こえて我に返った

僕が固まっていたのには理由がある。それは、知らない人からの連絡
ヒョンたちからこういうファンが一定数いるというのは聞いていたが、実際にこうして自分のところにも来てしまうとびっくりする

〔防弾のA君ですよね〕

‘ですか’じゃなくて‘ですよね’
もう送ってきた人は、僕だと確信を持っている

無視がいいのはよくわかっているが返信してしまった

〔そうだったら何〕

こうしたら、後で人違いだって逃げることができる。そんな浅はかな考えはすぐに打ち消されてしまった。

〔私と付き合ってください。NOというのならあなたに危害を加えます〕

血の気が引いた

そしてすぐ後に送られてきたのは、僕がここに来る前さっきまで撮影をやっていた時の写真
服も靴も影の傾きも、どう見ても今日の、ついさっきの写真だった

今度は、作曲仲間と休憩していた時の写真。撮ったであろう扉のほうを見ると、何か動いた気配がした。思わず飛び出し、廊下を見まわす。だけどいるのは、顔見知りのスタッフさんだけ。

〔私はいつでもあなたをみています〕

こうもタイミングよく送られてくると恐怖よりも気持ち悪さのほうが勝る

気分の悪さだけが残った

その日から、その人からの連絡が絶えず、その内容も耐えられるものでは無かった

プライベートの写真、メンバーとの写真、宿舎から出る写真

〔ねえ、見てるんでしょ。私たちは相思相愛なの。付き合ってよ〕

柔らかく優しかった文も、最近では狂気の沙汰が増して

〔お前なんか防弾にいらない。7人を汚すな〕

〔存在が邪魔〕

〔こんなの送られてきて苦しい？もっと苦しめばいい〕

ブロックしても、アドレスを変えても、何をしてもこの人からの連絡は消えることはなかった

こんなん毎日やられたら、メンタルもボロボロ。夜が怖くて眠れず、日中は常にみられている恐怖に迫られ。もう逃げたい

床に携帯を投げつけることもあった。でも、壊れず、さらにはその映像が送られてきたこともあった

ヒョンの気持ちがわかった気がする

〔何すれば、こんなこと止めてくれる〕

逃げたくて、許してほしくて

〔止めない。君がいなくなるまで〕

〔君がいなくても、防弾は成り立つ。誰も悲しまない。君はいなくてもいい存在なんだよ〕

この人の言うとおりだとしたら、僕なんて。そう思ったら僕はあるところへ向かった