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閑話
冷蔵庫の中の食品が少なくなってきたから、買い物に行って来いと、リビングでくつろいでいた僕と山彰さんが駆り出された。
『僕らに買い物を任せたということはどういうことになるか分からせてあげましょう。』
「そうやな。まず、蕎麦は絶対や。何が何でも、予算外でも買わないと」
最近山彰さんは蕎麦にはまっているらしい。蕎麦愛が溢れている。
『アイスも買わないと』
「駄目だよ、必要ないもの買ったら」
後ろからいきなり声をかけてきたのは、陸さん。
『うわっ! いつからいたんですか。・・・まさか、最初からですか?』
「最初からです。力矢さんに、あの二人は怪しいから一緒について行けって」
『なら、最初から僕らに買い物なんか任せなきゃいいんですよ』
「確かに。」
陸さん・・・なんでそこで納得しちゃうんですか。陣さんだったら絶対{開き直んな」ってツッコんでくるはずだ。
「まあここまで来たし、さっさと終わらせよっか」
歩いて5分ほどにある近所のスーパー。
喋っていればすぐに着いた。
山彰さんがスマホのメモを見ながら頼まれたものを主婦のように、消費期限やら、見た目やら気にしながらかごに入れていく。意外と買い物上手なんだよこの人。
「やっぱ、蕎麦は必要や」
来た道を戻り、蕎麦を取りに行った山彰さんと、それを止める陸さん。
それを見て、僕は今しかないと思い、アイス売り場に直行し、お気に入りのアイスを探す。
そして、急いで会計を済ませ、箱買いを4つぐらい一気にした。
二人はまだレジ直前で揉めていて、
『まだやってるんすか。はやく帰りましょうよ』
「・・・A、手に持ってるその袋はなに?」
『バレるのはや』
「まさかアイス買ったの?」
『自腹だからいいでしょ』
「そういう問題じゃないでしょ。それ食べたら、絶対トレーナーさんに怒られるよ」
陸さんの小言が始まった。山彰さんとアイコンタクトをし、山彰さんはレジに向かっていった
「筋トレ頑張るんで許して・・・あ、山彰さん蕎麦買っちゃいましたよ」
「え、うそ、いつの間に」
「あーもう、お前ら二人が手組むのヤダわ」
目的は達成した。
レジで支払いをする陸さんを横目に、山彰さんとハイタッチをする。
『ミッション コンプリート!』
「Mission complete」
『無駄に発音いいのむかつくんですけど。』
「ざまぁ」
「この二人、仲がいいのか、悪いのか分からない」
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作者名:くろ | 作成日時:2019年10月24日 23時