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ほぼ毎日、みんなの倍の練習をこなし、参加できなかった練習は海青くんからビデオを送ってもらい練習したり、付き合ってもらったりしてもらっている。
同年とは仲良くなったけれど、年上とはまだなかなかうまく話せない。
LINEの友達欄も海青くん、慎、昂秀、拓磨、龍。
年上は比較的話しやすい陸さん、翔吾さんしかいない。
かろうじて、オーデション後にできたボーカル候補生のグループと、17人のグループがあるだけ。
「じゃあ頑張って」
『頑張ります!』
朝からのボイトレが終わり、陸さんと別れ、レッスン室へ向かう。
これから、パフォーマーだけのダンス練習に参加する。
進捗はちょくちょく海青くんや拓磨からLINEに送られて来ていていたけれど、実際に見ていると、
結構進んでて分かんない。
「A、お疲れ」
休憩時間。ポツンと立っていた僕に声をかけて来たまこっちゃん。
周りの視線が一斉に刺さる。
『休憩はいいの?』
「大丈夫。そんな疲れてないから」
『悪いんだけど、今日のダンス教えてくれない?見たけど分かんなくて』
「もちろん。そのつもりで声かけたけど?」
顔に?を浮かべる慎に思わず笑みがこぼれる。
「何笑ってんの?」
『ううん、ありがと。』
「じゃあ、最初からね。カウント4から右足から入って、」
映像で見た通りの動きをする慎に必死について行く。
短い休憩時間。できる限り詰め込む。
15分の休憩が終わり、力也さんの声で練習が再開する。
昂秀の隣の立ち位置について、思い返しながらダンスするけど、ほとんどわからないだらけ。
一通り休憩時間に教えもらったけど、ついていけない。
自分のせいで全員の輪を乱しているのがはっきり分かる。
「今度の練習までにちゃんと踊れるようにしといてよ」
練習終わり、帰り際の誰かにそう言われた。
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作者名:くろ | 作成日時:2019年10月24日 23時