【参加者大募集中！】SnowSchool【短編集版】 (ページ6)

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むかしのあのこといまのぼく2【結継笑】ページ6

二年生になったある日。あの子が学校の屋上から飛び降りた。

急いで病院に向かってあの子の病室へ向かうと、窓の外をずっと眺めているあの子がいた。私に気がつくと「笑ちゃん、来てくれて有り難う」と笑顔にならない笑顔を浮かべた。

話を聞くとクラスメイトから飛び降りるように迫られたらしい。やっと話してくれた時はあの子はボロボロに壊れていた。そして「何も言えなかった私が悪いの」と顔を引きつらせて笑った。私は涙が止まらなかった。

そのまま三年間が過ぎた。私はあの子に会うたびに声をかけては沢山話していた。あの子が飛び降りた後もクラスメイトからの暴力は終わらないようだった。あの子のクラスメイトを殴りこみに行きたくなった。

「私は大丈夫だよ。笑ちゃんまで巻き込みたくないから、一緒に話してくれるだけで私嬉しいよ。」

あの子はそう言った。まるでお願いだから関わらないでとでも言うように。

高校は私のいる学園に来るように言った。あの子は拒否する事もなく雪崎学園に来た。

全て今までの事がなかったように。止まったあの子の三年間が動き出した。

不安しかなかったというのに。

あの子はやっと開放された。あの子はやっと人と同じように学校を楽しみ恋をして将来の夢を語れるようになった。

「私、今幸せだよ、笑ちゃん。有り難う。」

「私は何もしてないよ。」

そういうとあの子はくすくすと綺麗に笑った。

弱くなんかない。あんたは私なんかよりずっと強いよ。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿和。