【参加者大募集中！】SnowSchool【短編集版】 (ページ29)

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"俺"と"泡"、"僕"・"俺"と"私"【朦刻朧・泡】ページ29

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　 …"俺"？朦刻朧(ﾓｳｺｸﾛｳ)、年はまだ100くらい。
　ｱ"ｱ？ガキ扱い済んじゃねぇよ。叩っ切るぞ。

　
　 "泡"？泡は、朦刻泡(ﾓｳｺｸｳﾀ)っていうの！まだ100歳くらいだけど…
　泡は、いつか立派なお姫様になるの！

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　幼い頃は、いつも一緒だった。そんな俺らの生まれは、イタリア。
　住んでいた町は、そこそこ綺麗で、そこそこに荒れたそんな土地。

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　おう、…ほら見ろよ。"俺"、能力の扱いも上手くなってきたろ？
　幻覚だってさ…もっと攻撃的なのが良いな。

　うふふ、こんにちは！見てみて、"泡"のしゃぼん玉！
　綺麗でしょ？…人の御怪我を治せるのよ。
　お兄ちゃんは危なっかしいから、何かあったら泡が手当てしてあげるの。

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　二人一緒で、人生の三分の一くらいは過ごした。
　このあたりだったか。二人が段々と別の道を歩むようになったのは。

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　 "僕"？僕は朧って言うんだ。…お姉さん綺麗だね。
　…僕と、ちょっと遊ばない？あはっ、大丈夫だって。危ない輩じゃ無いよ？
　…護ってあげる保証は無いけどね。

　後退しなさい！手当が必要です！…菫様、怪我人も増えてます…ｯ
　護るだけじゃ、意味は無いのでしょうか。
　御免なさい、"私"…戦えなくて…ｯ！
　

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　俺はイタリアに残って、泡は極東へ。
　上司の、菫、とか言う奴と仕事だと。
　…俺の方も五月蠅い上司が居てねぇ。

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　「は…！？あﾝの馬鹿、何やってんだよ…！？
　何！？ホント、なんで式神の彼奴が死ぬわけ！？
　俺も死んでるんだったら話は別だけど…契約解除されてるわけじゃないんでしょ！？」

　 …そんな能力だｧ！？
　 …もう。行ってあげるよ…、なぁに。"上司には敬語"？五月蠅いな。
　泡復活させに行くんだから。良いでしょ。

　 …それはさておき。"俺"の大切な"仲閒"を護っててよ。
　みんな大事なんだからさ。俺らみたいに不死身じゃ無い。
　命に限りある彼奴らには、会える期限が限られてるんだから。

　「御免なさい…先生、紅霊…ｯ、いや…神無月、先、輩…。
　 "私"は結局、何も"護れ"なかった…」

　 "大切"な物なんて、"仲閒"なんて。
　いつ、何処で。はぐれてしまったのでしょう。

　 …血みどろの沼に浮いて居るみたい。
　彼の温もりも、笑顔も、何もかも。きっと泡沫の夢と化すのです。
　
　

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