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あたしの名前【丹尭 紬】 ページ19

あたしの名前は読みにくい。
でも個人的にはこの名前を気に入っている。


『丹尭 紬』大切なものを築きあげて欲しい。自分らしさを貫いて欲しい。後は、両親が着物とか、『和』とかが大好きだったから付けたらしい。
気に入らないことを一つあげるとするならば、あたしは和より洋が好き、ということかな。
でも、この名前は大好きなんだ。


*


「あの、あきぎょうさん？」


「……あたし、あきぎょうじゃないよ。たなあき､たなあきつむぎ」


「わあ､ごめんね！私、早雪っていうの。よろしくね！」


「早雪ね。よろしく」


あきぎょう、これが中学に入って一番初めに間違われた読み方。
そして、初めて出来た友達。
早雪はあたしの名前をいつも褒めてくれた。
紬っていい名前だよねって。紬の名前は紬にピッタリだよねって。
その時の彼女のニッコリ笑顔は忘れたことは無い。笑を浮かべている早雪はとても可愛らしかった。
あたしは雪城学園に入学したから早雪と学校は別れてしまったが今でもメールのやり取りはしている。ついこの間も遊びに行ってきた。
早雪は、嫌いだった名前を好きにさせてくれた大切な友達。
あたしは彼女を嫌いになることは絶対にないだろう。そう、言いきれる。

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