【参加者大募集中！】SnowSchool【短編集版】 (ページ17)

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小さな一日【蒼井梨央】ページ17

私はひっそりと喫茶店のバイトをしている。

制服も...短いスカート頑張って履いてるし、声だしもしているし。
伊達眼鏡をかけて、髪も結んでいる。

生活のためだから。
他の人にも知られたくないってだけ。

ひっそりとした穴場のお店で、店長と私しかいない。
やっぱり小さいから人手も雇えないらしい。

｢店長、2名様入ります～！｣

｢はい、いつもごめんね？大変でしょ？｣

おひや...水を入れたコップを渡しながら店長は言う。
店長は申し訳なさそうにしてるけど...明るく笑って言った。

｢いえ！私もありがたいもので...中々見つからなかったので助かりました｣

と、走ってお冷やを置く。
にっこり笑って決まり文句。

｢ご注文がお決まりましたらお呼びください！｣

.

.

閉店の時間。最後のお客が終わったら賄いが出る。

｢へ？、いつもいいって言ってるじゃないですか！｣

｢いや、中々いなくてね...？欲しい人材もないならこのままで...って甘えて申し訳ないね。｣

申し訳ないらしい。
最近バイト口でもう一人雇いたいらしい。
が、どうしてもこだわりが強いらしい。

｢はは、いいんですよ。学業とかあって時間少ないですしね(笑)｣

小さく手を動かしながら雑談をする。
休みの時、お昼の時間も、終わったときも出してくれる。

｢さ、掃除しますので、店長は休んでくださいな｣

｢いや、一緒にやろうよ、流石に(笑)｣

馴れた手つきで行うようになった私は店長といつも最後までいる。
終わった1時間後位に帰路に着く。

｢お疲れ様でした！店長、時間ずれるかもですが、また明日きますね！｣

｢いつもありがとね～。無理しすぎないでよ！｣

分かれ道で別れる。
そんな一日でせっせと働いている、小さな一日。