弁当 【黒澤 棗】 ページ2
「.....おい｡」
聞こえてきた声に俺は視線だけ向ける。
見えたのは俺を見つめる薄い黒の瞳。
そして女だというのに男性制服というおかしな格好のアイツだった。
「...ンだ、燐水綺羅｡」
「.....不本意だが｡」
ポスンと投げられたそれをキャッチすれば黒い丸い何か。
疑いの視線をそちらに向ければ、返ってきたのは睨みで。
「本当に本当に不本意なんだが、お前が弁当を食わずに屋上に居ると聞いてな。これをやるから授業に出ろ｡」
「......手作りかァ？」
「話を聞け！！」
怒るソイツの声は無視して、卵焼きを一口。
...美味い。
甘い卵の香りが口の中に広がって、美味かった。
「.....どうだ？」
「.........美味くも不味くもねェ｡」
「本当に失礼な奴だな｡」
「作ってくれとは頼んじゃいねェよ｡」
フイと顔を背けたソイツに気づかれぬようフッと笑う。
美味かった、なんざ言ってやるか。
「...まァお前に免じて授業くらい出てやるかな｡」
「ほ、本当か！」
「あァ｡」
良かった、と息を吐くソイツを横目に、俺はまた弁当の中身を頬張ったのだった。
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総悟13(プロフ) - 終わりました (2017年3月12日 18時) (
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総悟13(プロフ) - 更新します (2017年3月12日 18時) (レス) id: 56f522caa1 (このIDを非表示/違反報告)
総悟13(プロフ) - 更新します (2017年3月11日 17時) (レス) id: 56f522caa1 (このIDを非表示/違反報告)
りぃか(プロフ) - 終わりました (2017年2月23日 17時) (レス) id: d025085921 (このIDを非表示/違反報告)
りぃか(プロフ) - 更新します。 (2017年2月23日 17時) (レス) id: d025085921 (このIDを非表示/違反報告)
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