GAME37 HER PRETENDER ページ39
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怯んでいた植物がまた動き出す。
入出達が無事辿り着けるように、一秒でも長く足止めをするのが今の僕に出来ること
手を頭にやった所で布の触感が無いことに気づく
『あの時か…』
まああれ勢い凄かったし、外れない方がおかしいか
そんなことを考えていると無数のツタが攻撃を仕掛けてくる。
まだ数は多くない
複雑な動きはしてこない分、早さが厄介と言った所だ
そして危ないところは銃を撃ってツタを落とす
回復速度も異常に早いけど、その僅かな時間さえあればいい
一秒でも長く足止め出来たらいいんだから
──────
────
時間がゆっくり流れているように感じるけど、どれくらい時間が過ぎたのか検討もつかない
入出達は無事に辿り着けた?
わかんない
けど……
『弾切れ…!?』
流石にこんだけ短時間で撃ち続けていれば弾切れにもなるか
そして横から伸びてくるツタをすんでのところで後ろに避けようとする
『……っ!?』
だがツタのほうが早かったのか、胴体にグルグルとツタが巻き付けられるとあっという間に宙ずりにされる
大口に向かいツタが動いてるのを感じる。
食べられるな
諦めにも近い何かを抱きつつ、来る衝撃に供えて目を瞑る
───が、一切衝撃がやってこない
ゆっくりと目を開ければそこは花を大きく開いたまま止まっている植物の姿が目に映る
『止まってる…?』
原因がわからなくて周囲を見渡せば原因がすぐわかる
"日没"だ
恐らく太陽の光が条件で動いている
周りを見渡してもツタが動いてないのを見るにそれらも同じ条件だろう
幸いなことに両腕はツタでグルグル巻きにされてないので自由が効く。
残っている力を振り絞ってツタを引き剥がしていく
『………う……ぐっ…』
段々と圧迫感が消えて行く
半分ほど引き剥がした所で植物も力がなくなり、僕を離してだらりと垂れ落ちた所で気がつく
ここ、結構な高さじゃん
力なんて殆ど残ってない。受け身を取る暇もなく固い床に叩きつけられる。
鈍い痛みにぼやける視界
頭が揺れて気持ち悪い
痛い
痛みを逃そうと身体を縮こめようとするが意味がない
痛いよ。やだ。
助けてよ───×××
助けなんて来ないのに
暗くなっていく視界の中で手を伸ばす。
そしてそのまま僕は───…
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作者名:雪雅 | 作成日時:2020年12月29日 14時