GAME32 HER PRETENDER ページ34
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「やあ、どこ行ってたんだい」
鬼ヶ崎、忍霧、そして僕以外の人達が揃うラウンジ。
揃ってるってことは第3ステージをクリア出来たのだろう。だけど、何かあったというのは明白だった。
「第3ステージ無事クリアしました」
『だろうね…』
「…パカは?」
「今日はまだ見てませんよ」
今日はまだ見てない…か
目を腫らした伊奈葉さん、カップケーキをやけ食いする駆堂、気落ちしている表情を浮かべる入出が嫌でも視界に映る
居心地悪いな…
「…なにかあったのか?」
「えっとまあ…いろいろありまして」
そんなの見ればわかるし…
ため息つきたくなる気持ちを我慢する
「これ、今回手に入れた02染色体です」
『そ、無くさないようにね』
「え…珍しくシノンさんが優しいです…」
『珍しく優しいって何?というか僕優しくしたつもりないんだけど…』
いや、普通にもう一回同じステージはやりたくないでしょ
こんな辛気臭い顔見たくないし、空気が重いのはごめんだ
それにしても、パカをみてないってのはひっかかる。
昨日違反をしたからてっきり何かしら仕掛けてくると思ってたけど、僕の杞憂だったか…?
どっちにしろ、昨日のことをどうするのか二人が気になる
「全員いるか。話しておきたいことがある」
────ドコン!!!!
後ろから強烈な破壊音が鳴った
壁を突き破ったからか大きい穴が空き、ガラガラと音を立て瓦礫が崩れる。そして真ん中の壁があった場所からは僕達よりも遥かに大きい得体の知れない何かが覗いてみえた
警戒をしていたはずだった。
ゲームとかだったら真っ先にそういうのが用意される展開だからだ。
避けるとか逃げるとかよりも先に本能で身体が動いていた
「な……」
入れ替わった先に映るのは視界一面に飛んでくる瓦礫の山
世界がやけにゆっくり見える。
危機を察知するのがあまりにも遅すぎたから
「シノンさん!!忍霧さん!!」
頭に鈍い衝撃が襲う。そして痛みを感じる間もなく僕の身体は勢いよく地面に叩きつけられた。
熱いし冷たい…
頭が燃えるように熱くて、身体に触れる床がやけに冷たい
身体が上手く動かない
《ピン・ポン・パンフェ〜〜♪緊急連絡。ルール違反者ペナルティのため難易度Sステージをご用意しました》
《巻き添えの皆様あしからず。第4ゲーム『ミミクリー・マンイーター殲滅』──開始でございます》
やっぱりこれは…僕らのせいだ…
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作者名:雪雅 | 作成日時:2020年12月29日 14時