名前が真逆な雪男〜2〜 (ページ42)

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舘「夏樹…」

夏樹が刺された日から2日が経った。

…まだ目は覚まさない。

舘「カメラの前ではいつも通りを演じてるけど…楽屋だと皆静かだよ…」

夏樹の手を握ると体温を感じるも握り返してくる様子は無い。

舘「早く目覚ませ…」

握った手に額をつけて溢れそうになった涙を堪えると夏樹の指がピクッと動いた。

舘「夏樹…っ？」

『…、だてさまが…そんなによわるなんてね…』

目覚めたばかりでとろんとした目で見てくる夏樹に泣きそうになりながらもナースコールを押して夏樹が目を覚ました事を伝える。

少ししてやってきた先生が夏樹に体調など聞いてる間にグループLINEに夏樹が目を覚ました事を知らせると今日オフの照、ラウール、目黒がすぐ行くと返ってきた。

舘「眠り姫かと思ったよ。」

『姫は嫌だな…w』

皮膚のつっぱる感じがあったのか笑った夏樹が少し表情を歪めた。

診察を終えた先生と看護師が病室から出ていき、ベッドに椅子を寄せて座る。

舘「無事目覚めて良かった。」

『ご心配お掛けしました。』

握り直した夏樹の手を撫でていると、マリアとベルは？と聞かれた。

舘「阿部に頼んだ。」

『阿部ちゃんにお礼しなきゃ…』

今までであればお姉さん一家で預かってもらう事が出来ていたが、海外での活動をするとの事でアメリカに引っ越しをされてしまったので俺が預かっていた合鍵を阿部に渡し、お世話をお願いしていた。
流石に毎日京都から通うのは体力的にね…。

夏樹とちょっとだけ雑談しているとドアがノックされ、照達がやって来た。

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岩「夏樹…」

ラ「良かったぁ…っ」

目「めっちゃ心配したよ。」

180越えの男3人に囲まれ圧迫感が凄い…w
しかも3人とも目潤んでるし。

『ごめんね？迷惑かけて…』

そう言うとラウが痛くないように、でもしっかりと抱き締めてきた。
徐々に濡れていく肩口に声を抑えて泣いてるのが分かる。
ラウの頭を撫でていると涙を流しながらも、ぐっと何かに耐えているような顔をした蓮に気付いた。

あぁ…多分ラウが居るから遠慮してんだろうな。

『蓮。おいで？』

目「っ…」

あのドラマで見せたように声を押し殺して泣いてる蓮がラウと反対側から抱きついてきた。
不謹慎かも知れないけど、蓮に泣かれたのは少し嬉しかった。
蓮はあまりマイナス面の感情を出すやつじゃないからな。

続きます.