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YouTube撮影から数日。

今度は新しいドラマの撮影で外にいた。

今回のドラマは医療ドラマで初の医療従事者役だ。

今まで患者役しかやってなかったから嬉しいなと思いつつ、専門用語が多いセリフに苦戦していた。

今日撮影するシーンは街中でのシーンで、警備の人達が居るとはいえ一般人も周りにいる場所だ。


「東雲くん、セリフ慣れてきた?」

『いやー…全然ですw 専門用語難しいのばかりで…w』

「ですよね!私もなかなか覚えられないですw」

「◯◯さんは噛みやすいセリフも多いですしねw」

「何回もNG出しちゃってすみません…w」


撮影前に共演者の皆さんと談笑していると遠くに居る人物が目に止まった。

寒い日とは言え目深く被った帽子とその上からパーカーのフードを被っていて最近の手紙の事もあってか見るからに怪しいその人物をじっと見てしまった。


「撮影始めます!」

全「『はい。』」


無事撮影を終え、先程の人物が居た所を見るとまだ居た。

…もしかしてあの人か?

何だか考えれば考えるほどあの人がYouTubeのロケでも見かけた気がして嫌な予感がしたが、確証が持てない分今は気にしないでおこうと思った。















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次の日。

今度はYouTubeのロケ。

遠巻きに見ているファンの人達にファンサをしていると昨日見かけたあの人が居た。

今日は比較的暖かい日なのに昨日と同じように帽子とフードを被っていて俺の中で最近の手紙はやっぱりあの人かもと思った。


向「夏樹くん!そろそろ移動すんで?」

『あぁ…OK。』


俺の肩を組んでそう言ってきた康二に連れられて移動車に乗り込む前にあの人を見ると睨みつけるような目線をこちらに向けていた。

流石に移動先は県を跨いだ所だったのでさっきの人がまた居る事は無かった。




鷹「しのくん、これ届いたファンレターね。」

『ありがとう。』


鷹ちゃんからファンレターの入った箱を受け取り、一通ずつ目を通していく。

少し厚みのある一通を手に取り中を見るとこの間のYouTube撮影の時の写真があり、俺と肩を組んでる康二の顔にバツが書かれていた。

他にもドラマの時の撮影中だろう写真なども入っていて、全部俺以外の人にバツが書かれていた。
恐る恐る手紙を開くと

アイシテル

と黒っぽいもので書かれていたが乾いたソレに気付いた。

…これ、血で書かれてる。


続きます.

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作者名:おにぎり | 作成日時:2023年7月10日 15時

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