阿部家の長女 Ryouhei.A

心配になっちゃうよ2 ページ12

サクマSide









亮花ちゃんのほっぺ舐めたら、亮花ちゃんが泣きだしっちゃって。


サクマさん、メチャクチャ焦ったよ。


今日はやっぱり、亮花ちゃんなんかおかしい。


でも亮花ちゃん、自分の気持ちを話すのが苦手だから、きっと自分からは喋ってくれないだろうな。


サクマ「亮花ちゃん？僕でよかったら話聞くよ？」


亮花「さくま…聞いてくれるの？」


サクマ「当たり前でしょ？さくまさんに任せなさい！」


亮花「わたしね、またお父さんとお母さんに、テストでいい点とりなさいって言われたの。」


サクマ「亮花ちゃんは賢いもんね！」


亮花「そうかな？でもわたしね、その話されるの、すごく嫌なの。なんでみんなテストの点数だけで、人の価値が決まるみたいな言い方するんだろうね？そんなものがすべてじゃないのに。これじゃ、家でも学校でも状況は一緒。なんで誰もわたしを見てくれないんだろう？本当のわたしっていったい何だろう？」


サクマ「そっか。でも、僕は今の亮花ちゃんも、学校での亮花ちゃんも、パパとママの前の亮花ちゃんも、兄妹の前の亮花ちゃんも、みんなホントの亮花ちゃんだと思う。だって、誰だって、人によって態度は変わるんじゃない？でも亮花ちゃんは、みんなにやさしいじゃん。みんなと同じように分け隔てなく関われる人なんて少ないよ？」


僕の言葉が届いたかわからないけど、亮花ちゃんが心なしか、さっきより元気になった気がする。


役に立てたなら、僕はそれだけで十分にうれしいよ？

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