・ ページ21
もしかしたら、買いに行ってる間にも戻ってくる可能性はあったはずなのに。
最近は、だてさんだけ変だと感じるようになった。
私「だてさん、ちょっといいかな？」
dt「うんいいよ。」
私たちは、隣の部屋に向かった。
━━━━━━━━━━━━━━━
私「だてさん、なんか隠してる事ない？」
私は、思ったことを疑問形にしてぶつける。
それを俯いたまま、黙って聞いているだてさん。
私が一通り話を終えると、だてさんが口を開いた。
dt「みんなには黙っててくれる？」
私「うん。内緒にする」
dt「俺、自分の種族がなんなのか分かるんだ」
意外な一言だった。
でも、その事を言っただてさんは少し悲しそうな表情だった。
dt「このことを言ったら、みんなになんて思われるか分からない。だから、料理ができるっていえば、自然と炎が得意魔法だって分かるかなって思った。」
だてさんの種族は炎。
dt「俺がその事を知ったのは、みんなに内緒で養成所を抜け出した時。その時、ルールが厳しくて耐えられなくて抜け出してしまった。その後、行くあてのなかった俺を助けてくれたのが、同じ服を着た妖精だった。その後、すぐ見つかってしまってまた養成所に戻るんだけどさ」
だてさんの声は震えていた。
そして話は続く。
dt「その妖精から大切なことを教えてもらった。『得意魔法は自分のために使うんじゃない。特に君は炎種族。もし暴走してしまったら、誰かを傷つけることになる。守りたいものがあるなら、大変だが、その力をコントロールすること』って」
私「だから黙ってたの？ずっと知ってたのに？」
dt「みんなには黙ってて欲しい。俺は、まだ力をコントロール出来ない」
そう言って、部屋を出た。
責めながら言ったつもりはなかった。
ただ、最後の言葉が気になった。
その時、追いかければよかった。
私は気づかなかった。
だてさんが家出をしたことを。
もちろんみんなも気づいてる様子はなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 28人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まり姉(プロフ) - 水と炎とそして自然の2ページ目のとこで舘さんの漢字が伊達さんになってますよ！！ (2020年5月25日 17時) (
レス) id: 632dd79117 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Kuikui | 作成日時：2020年4月24日 22時
