点描の唄【桃】 (ページ24)

今日:6 hit、昨日:5 hit、合計:18,733 hit

第23歌ページ24

私はそれから数日考えてだいちゃんから離れることを決意した。

直接言ったら私の気持ちが揺らぐからいなくなるのはライブツアーの間に手紙を残してどこか遠いところに行こうと思う。

お金は今まで働いていた貯金があるから暫くはそれで大丈夫だし家賃も貯金と在宅ワークの仕事とバイトでもしたら大丈夫かな？

なんて1人で考え込みながら夕飯を作っているといきなりわっ！と飛びつかれた。

「うわっ！え？ちょ、何？！」

佐久間「こら！料理中にボーッとしたらダメでしょ！」

「あ、ご、ごめん！」

佐久間「もー！どうしたの？なんかあった？」

「…ううん、なんでもないよ？」

佐久間「えー？ほんとにー？」

「うん、ほんとに…あ！強いて言えばねぇ」

佐久間「お、なになに？」

「…お皿運んで欲しい！w」

佐久間「んお！了解でありまぁす！」

別れると決めてからこんな些細な会話でも幸せだな、と感じる。

もっともっと遊べばよかっなぁ…ずっと傍に居たかったな…

ねぇだいちゃん

私たち今日で会えるのが最後なんだよ？

だいちゃんは私がいなくて寂しいかな

嬉しいのかな

泣いてくれるのかな

いや、私が居なくても笑ってて欲しいな…

佐久間「あ！A！俺明日から予定通りツアー始まるからさ…今日さ、イチャイチャしちゃお」

「も、もう！そういうのはご飯の後！！」

佐久間「にひゃひゃ」

「…ふふw」

＿＿＿＿＿

「んっ…だい…ちゃ、」

佐久間「ふ…Aっ…泣いてる…痛いかった？」

違うの

私が悪いの

堪えようとしても止まらないの

今が幸せ過ぎて

離れたくない

「私を…っん…見て…」

佐久間「見てるよ…綺麗…」

「…大好き…っあ」

佐久間「ちょっと、どうしちゃったの？…積極的じゃん？」

「ん…っひぁ…」

甘い甘い時間は終わりを迎えてだいちゃんの腕の中で丸まっている。

ほんとに最後なんだ

こうやって交わるのも、話すのも、会うのも、見るのも。

そう思うと涙は止まらない

佐久間「えぇ？！してる時も泣いてたけど…ほんとにどうしたの…？」

「ううん…ただ、幸せだなぁって思っちゃって」

佐久間「これからもーっとAのこと幸せにするよ」

「っ…うん。」

佐久間「もーw幸せにするって言ったばっかなのに泣いちゃって〜w」

大丈夫

もう決めた事だから

だいちゃんが…

貴方が幸せならそれでいい。

そう思いながら眠り、気づいたらお昼になっていた。