第10歌(過去編) ページ11
今日の講義は午前中だけだから子供がいる訳が無いのに聞こえてくる誰かの声。
何故か無性に気になって近づいてみると男女3人づつの人達の後ろ姿が見えた。
しかも男子3人が誰か…男の子？を蹴ったりしているのが見える。
嗚呼、嫌なものを見てしまったな。
彼を助けたい気持ちは山ほどある、けど怖くて出来ない。
私が入ったところで何になる。
そう思って帰ろうとした時に会話の内容がｽｯと頭の中に入ってきた。
男「ほら言ったろ？こいつオタクなんだってw」
？「返してっ…！」
男「ほら、こんな必死になっちゃってさぁ？」
女「うっわ、ガチでオタクなんじゃんwマジで無いわw」
女「ね〜、キモw」
男「こんなちっちぇ女の子が好きなんだとよw」
女「無いわwキモオタってやつでしょ？w」
…なるほどね、オタクだからって簡単に虐めるやつか。
私も彼の気持ちは痛いほど分かる。
こんなにも好きなのに好きと言えない。
男「…ん？」
男「何やってんの、君」
「…て下さい」
女「は？なんて言ってんのか聞こえな〜いw」
「返してあげて下さい。」
いつの間にか私は虐められている彼の目の前に立っていた。
男「え？あ、これ？」
男「ねぇお姉さんこいつこんなのが好きなオタクだよ？w」
「いわ…で…」
馬鹿なのも無茶なのも分かってるけど…けど…！
「こんなのって言わないで！！！」
男、女、？「「「？！」」」
男「…っは？だから、こいつは、こんなのが好きなキモオt「○○ちゃん」」
「○○ちゃん。誕生日は○○年○月○日好きなことは○○で○○○○のヒロイン」
？「え…なんで…」
女「っ…え、えぇ…？あんたもオタクなの？w」
女「キモ…w」
「うん。私もオタク、だから？」
女「は？」
私はオタクだし、今までに何回もこのことで彼みたいに虐められてきた。
だから隠してたけど…もうこの際どうだっていい。
男「うわ、まじぃ？w」
「マジです。だから返して」
男「えぇ？それはつまんないなぁ…」
「好きな物を好きって言って何が悪いの。
あなた達に迷惑なんて1つもかけてないのに！ただ自分が好きな物を好きだって叫んでるだけなのに、何が悪いの！」
私だってこの子が、このアニメが大好きだから、
それでも黙ってるなんて馬鹿しかいない。
だったら私は戦う。
男「…分かった、タダで返すのもつまんねぇから」
「…っ！」
男「お前が俺らの相手をしろ。そうしたら返してやるよ」
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作者名：はねちゃ | 作成日時：2023年1月29日 8時
