すの短編

伝いたい気持ち　黒+紫×橙 ページ35

康二side.


今日も目黒にホテルまで送ってもらうことになりよった。


大丈夫と言うたのに、俺に送らせてくださいって言われて、目がキラキラして俺を見つめてきた。


やばいな...俺は年下に甘いだもん。こうされたら、断らんわ。


「うん、わかった。じゃ、ちょっと待っとってな。今楽屋に戻ってなおすから。」


蓮「うん、じゃ、俺はここで待ってます。」


俺は頷いてから、楽屋に戻った。




「あ、ふっかさん。」


そこには、いつも俺の世話をしてくれたふっかさんがいた。


辰哉「おお、康二か。これから帰るの？」


「うん、めぐきゅんに送らせてくださいってしつこく言ってくれるんですよ〜」


辰哉「…目黒が？」


ふっかさんは目黒の名前を聞いて、なんか不機嫌な様子だ。


二人の間何かあったの？まさか、喧嘩したとか…


「ふっかさん、どうかしたんですか？」


辰哉「...康二ってさ...目黒とかなり仲がいいよね。」


「まあ、南座ではずっと一緒におるから、なんとなく仲良くなったんやね。」


辰哉「この前も一緒に桜見に行ったよね。」


「あれは帰り道にちょうどあって...」


俺の話を聞いて、ふっかさんは椅子から立って、前にやってきよった。


「ふっ...かさん...？」


辰哉「ねぇ、康二。俺を選べよ。」


「な、何を？」


と戸惑いながらふっかさんの目を見つめて、顔が段々近づいてきた。


最後は二人の距離がゼロになって、唇に温かい感触を感じた。


一瞬だけやけど、俺は戸惑って何も反応できひん。


い、今......ふっかさんにキスされた…？


え、何で？俺らはメンバーだし、男だし。


何で急に俺を選べよっていうこと言ったの？


一体、どういう反応すればいいの？


と、とにかく笑いで誤魔化するしかない...


「何や！ふっかさん、俺を使って女の子に告白の練習するの？先に言ってくださいよ。びっくりした！」


辰哉「違う！俺は...」


「いや、にしても、カッコエエセリフやね。俺も一度好きな人に言ってみたいよね〜」


辰哉「康二！」


ふっかさんは俺の腕を掴んで、真剣な表情で俺を見とった。


あれは間違いなく本気な様子。


俺はちょっと抵抗したいやけど、ふっかさんの力が強すぎて、全然動けへん。


辰哉「今じゃなくでもいい。いつか、お前と一緒に付き合いたい。」


「ふっかさん...」


俺は何も話せなくて、ただふっかさんに見ていてどう返事したらいいかと悩んでおる。


辰哉「あ、ごめんね。驚いたよね。」

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