天使と悪魔 (ページ4)

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聡明には儚さをページ4

「ねぇ！君、大丈夫！？」

…人の声が聞こえた気がした。澄んだ聡明な声。
いや、こんなところに人なんているはずないか。

じゃあ、神様？あ、そっか、もう、死んじゃったのか。
死んだなら痛くないはずなんだけどな、おかしいな。

神様、大丈夫じゃないです、頭が痛いです。
死んでるんならこの頭の痛さと身体が重いのどうにかしてよ。

「…なにしてんだ。」

「あっ、！いいとこに来た！この子、怪我してるんだよ！」

怪我してるって私のことかな…そっか、怪我してたからしんどいのか…そっか…。

「ほっとけよ、そんな奴。そいつ人間だろ。今日は周囲の見回りだけの約束だろ。」

なんて儚い声。触れたら消えてしまいそうな、そんな声。

もう一人の男は助ける気がないのか、そう冷たく吐き捨てた。

もうその辺でいいから、せめて埋葬くらいして欲しいよ。
どこの誰か知らないけどさ。

「そんな可哀想なこと言わないでよ！俺はこの子を助けたいの！」

「ったく、しょうがないな。どうせまたショータ辺りに怒られるぞ？俺知らねぇからな。」

「ありがとう！でもしょっぴーには怒られたくないなぁ。」

冷たく興味無さそうな声が近づいたと思えばふわりと香る匂い。

この匂いどこかで…なんて考えてるうちにヒョイっと身体が宙に浮く。

私、抱えられてる…。

「まだ息も小さいけど微かにある。あべちゃんに見てもらえば大丈夫だろ。」

心身ともに疲労していた私は、そんな声を最後に意識を失った。