運命を掴むのは ページ13
彼らは私に存在を外に漏らされたくない。
だから飼いたい。飼い殺したい。
そんなところだろう。
ジリジリと距離を詰める彼に私は後ずさりも出来ない。
そして、悲しくも私はつい数刻前に父親に見捨てられたのだ。
一体誰にこの話をして誰になんの得があって誰が喜ぶのだろう。
それならここから、いっそ。
｢存在がバレなきゃいい。それなら、私がここから飛び降りて死ねば解決しますね？｣
｢…は！？｣
ひょいとフェンスを飛び越えようとした瞬間、彼にぐいっと腕を引っ張られる。
｢なにしてんだ！｣
なにが怒ったのだろう。
目の前には薄グレーの瞳の奥に怒りと戸惑いが見えて。
｢1番いい解決策を実行しようとしただけなんだけど…｣
彼の行動に戸惑ってついタメ口になってしまう。
｢はぁ…｣
彼は髪の毛をぐしゃりと掴んだかと思うとまたその瞳で真っ直ぐとこちらを見つめてくる。
｢私はあなたの餌になるつもりもない。だけどら帰る場所もない。この世界に未練もないんです。だから飛び降りる選択肢をとった、ただそれだけです。｣
そんな言葉にまた彼の目はゆらゆらと揺れる。
なぜそんなに戸惑う？動揺する？私には分からない。
追い詰められているのは私のはずだ。
｢…わかった、じゃあこうしよう。｣
その途端、彼のの片目がピンク色に光る。
｢俺がお前を保護する。餌じゃない。保護。ここで俺がお前を守ってやる。だから死ぬなんてもう簡単に言うな。｣
なぜ、だろう。
その目に見つめられてると本当にそれが叶うような気がして体の力が抜けていく。
｢俺がお前を周りからこの世界から守るから。だから大人しく保護されてろ。｣
そういってまたピンク色に光る片目が強く発光する。
あぁ、ダメだ、たっていられない。
おっと、と彼が私を支える体に体重をかけてそのまま私は再び意識を手放した。
｢お前は俺の番だよ、まだ知らなくていいけど。｣
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マスコット - 好きです！めちゃくちゃ気になります！楽しみにしてます！ (2022年12月22日 1時) (
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作者名：鎖鵺-NSayaN- | 作成日時：2022年3月4日 5時
