天使と悪魔 (ページ2)

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遭難に近い脱出ゲームページ2

見上げた先にある木を見て私は絶望していた。

この木があるということは、私は父にとんでもない所へ捨てられたのだ。
広いこの国にたった一箇所しか生えていない木。

確か、名前は……ゾウサツギ。
毒性を持つことから奥深くに生息する獣から人々を守るために植えられている、と母から聞いたような気がする。

私はそんなとこに、捨てられた…？
まずい。まずい。すごくまずい。

家に帰れなくてもいい。ここから離れなきゃ。
重い身体をどうにか立たせて歩き始める。

でもどうして私は父に捨てられたのか。
わからない。
用済みってなんの事だったのかな。思い出せない。何も。

頭がぐるぐるとはっきりしない中、決まっていることはひとつ。

早くここから出ること。
方角も何もかも分からない。だけど、歩き続けるしかない。
下手をしたら獣に襲われて死んでしまう。

そんな死に方はしたくない。

げほ、と咳を吐き出し、重い身体を引き摺りながら、少しでも遠くへと足を進めた。

｢……………………｣