Dear Love

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渡辺side


渡辺「Aー起きてよー。皆待ってるぞ？」



小さい身体に合わない物をたくさん付けられて１週間が経った。



ナースステーションに戻っても他の子を見に行っても空気はどよ〜んとしたまま。



俺の中では名字も渡辺で血は繋がってないけど一番愛している存在で。



他の患者とはまた違う思いを抱いている。父親みたいな存在で。



渡辺「白衣握ってくれないの？しょっぴー悲しいよ」



いつもずっと俺の白衣の裾を握ってきたり、髪をつついてみたり。



当たり前の日常には絶対にAが存在していた。



目黒「あっ翔太先生居たんですね」



ノックもせずに高身長の男が病室に入ってきた。



俺はずっと聞いてみたかった質問を聞いた。



渡辺「目黒はさーどう乗り越えるの？辛い時」



目黒「急ですね。笑 すみませんけど俺には答えられないっ すよ。一番辛いのはAだから」



いっつもはExcel全然出来なくて皆からナメられてるのにこういう時だけはしっかりした考えを持ってくる。


目黒「今はAの生きる生命力を信じて待つしか無いです よ。俺らに出来ることはそれだけ。医者は神様では無 いんですから」


渡辺「そうか」


目黒「でも生きる希望を捨てないでくれたら俺は何でも します。それが俺にとって普通です」


「生きる希望」目黒から聞いたその言葉は俺の奥の方に突き刺さった。


目黒「あっ真面目過ぎました？」


渡辺「お前もそういうとこあるんだな」


目黒「ナメないでくださいよー笑」

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