強がりは紅一点。３【雪】

＊ ページ18

ラ「ー！！！！て！おきて！」

『？！』

ラ「起きたー！」









おはよ、って可愛く挨拶してくれるラウくんが愛おしくなって少しだけぎゅっと抱きついた。

ラウくんはうわぁ！とキャッキャ喜んでいたけどそこは相手にしなかった。









痛みは引いている。大丈夫。







．







．









撮影中。



『っ！！！』









再び襲ってきたこの痛みは紛れもなく、先程よりも酷いものだった。



襲ってくる痛みと降りかかる睡魔。浅くなっていく呼吸。







隣に居るのはラウくん。迷惑はかけたくない。

それでも酷くなっていく症状。






『ぁ、たす、けて、』

ラ「澤くん！！」









スタジオに広がるラウくんの声。焦り出すスタッフさんたち。


その全てがぼやけてきて、歪んで見えてくる。









ラ「澤くんを助けて！！！」









深「ん、A？俺だよ。辰哉。」

『ぁ、ふか、さ』

深「俺のこと見える？」









急いで俺の前にしゃがんで来てくれたふっかさんの言葉に頷く事しか出来ない。






深「俺の目を見て？んえらいえらい」

深「吸って？吐いて、」

『ぁ、は、くるし』

深「俺の真似して、息吸って」









えらいえらいと毎回のように頭を撫でてくれるふっかさんの後ろで、照くんと翔太くんがスタッフさんを誘導している。


さくまと阿部ちゃんは俺の横で背中を撫でてくれている。









向井くん、目黒くん、ラウくんは動けておらず、ただ呆然とその場に佇んでいて、舘さんが3人を落ち着かせていたのがうっすらと見えた。









深「ん、えらいよ」

『ぁ、俺、また迷惑、』

深「かけてない。大丈夫だから。」









俺が皆と違うからって。

こんな迷惑までかけてしまった。









苦しくて、泣きそうになって嗚咽がした。

出来ること→←思いに反して*

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す