優しさは時に残酷なもの 2

第53話 深澤side ページ6

掲示板を見て俺とAちゃんがグランプリだと知る





横にいる照は俺の気持ちを察したのか






｢先戻る。｣







そう言って教室に戻っていった






俺はAちゃんを探すために廊下をあるきはじめる





ふ、と窓の外を見ると屋上に彼女の姿





俺は走って向かった








扉を開けるとふわふわと長い髪が風に揺られる
彼女の姿







綺麗だな、なんて思いながら近づく









『グランプリおめでとう』









困ったように俺に笑いかけて





｢先輩こそ、おめでとうございます｣





そう言ってくれる








儚くて今にも消えてしまいそうで、


抱きしめたくなる気持ちをぐっと抑える





俺ね、君の隣が俺になって本当に嬉しいんだよ

俺のものじゃないのにね、









そんな気持ちは今は伝えられない









少し悲しそうな瞳で俺を見て








｢先輩は彼女さんと行ってあげてください｣








そんなこと言われると傍に居れないな、
今にも泣きそうな彼女を1人にしたくないけど、








そんなことを思いながら俺はその場を後にした









屋上の扉が閉まる









『...はぁ〜、マジで俺何やってんだろ』

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